バッキングの意味とギターにおける役割
バンド演奏において「バッキング」は欠かせない大切な要素です。ここでは、バッキングの意味やギターの役割について解説します。
バッキングの基本的な意味と由来
バッキングとは、主にボーカルやリード楽器の演奏を支えるために、コードやリズムを奏でる演奏スタイルを指します。言葉の由来は英語の「back(後ろ)」から来ており、表舞台を引き立てるサポート役として登場しました。
たとえば、バンドの中でメロディを演奏するのがリードギターやボーカルなら、その背後で和音やリズムを作るのがバッキングギターの役割です。控えめに感じられるかもしれませんが、バンドサウンドにおいては全体の土台を築く重要なポジションとなります。
ギターで果たすバッキングの重要な役割
ギターでバッキングを担当する場合、演奏者は楽曲全体の雰囲気やリズムの流れをコントロールする役割を担います。ギターによるバッキングは、曲に厚みを加え、他の楽器が活躍しやすい環境を作ります。
また、ギターの音域や音色は曲を彩るアクセントにもなります。シンプルなコードストロークやリズムの変化によって、楽曲の印象を大きく左右することもあります。バンド全体のまとまりを生み出すためにも、バッキングギターは欠かせません。
リードギターやベースとの違いと特徴
バッキングギターはリードギターやベースとは異なる役割を持っています。リードギターは主にメロディやソロパートを担当し、ベースは低音域でリズムとコードの根音を支えます。
それに対し、バッキングギターは主に和音(コード)を中心に演奏し、楽曲のリズムや雰囲気を作り出します。下記の表で役割の違いをまとめます。
パート | 主な役割 | 音域(特徴) |
---|---|---|
バッキングギター | コード・リズム支え | 中音域 |
リードギター | メロディ・ソロ演奏 | 中〜高音域 |
ベース | 低音とリズムの支え | 低音域 |
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バッキングギターの基本テクニック
バッキングギターを演奏する際には、さまざまなテクニックが求められます。ここでは代表的なものを紹介します。
コードストロークとリズムの作り方
バッキングで最も基本となるのがコードストロークです。コードストロークとは、ギターの弦をまとめてピックや指で弾くことで和音を響かせる技術です。ストロークの強弱やタイミングを工夫するだけでも、楽曲に個性を加えることができます。
リズム作りでは、拍ごとのアクセントや休符を意識して弾くことで曲のノリが変わります。特にバンドでは、ドラムやベースのリズムに合わせて一体感を出すことが大切です。初心者の方は、まずはゆっくりなテンポで正確にストロークし、徐々に複雑なリズムパターンに挑戦するのがおすすめです。
アルペジオとカッティングの使い分け
アルペジオは、コードの音を一つずつ順番に弾くテクニックです。やわらかく繊細な雰囲気を作りやすく、バラードやアコースティック曲でよく使われます。一方、カッティングはリズミカルに弦を弾き、歯切れの良いサウンドを生み出す奏法です。ファンクやロックなど、リズムが重要な曲で効果を発揮します。
この2つのテクニックは、曲調やバンドの雰囲気によって使い分けることが大切です。アルペジオは静かな場面やサビ前の盛り上げに、カッティングはノリの良いセクションやバンド全体が盛り上がる部分に適しています。場面ごとの使い分けができると、演奏の幅が広がります。
パワーコードやバレーコードのコツ
パワーコードは、主にロックやポップスで使われるシンプルなコードです。押さえる指の本数が少ないため、初心者でも取り組みやすいメリットがあります。力強いサウンドが特徴で、エレキギターによく合います。
バレーコードは人差し指1本で複数の弦を押さえる方法です。初めは押さえるのに力が必要ですが、慣れてくるとさまざまなコードを自由に移動して弾けるようになります。コツとしては、手首をリラックスさせ、指の腹ではなく側面を使って押さえると音がきれいに出やすくなります。
バンドやジャンルごとのバッキング活用法
バッキングギターはジャンルやバンドのスタイルによって演奏方法が異なります。ここでは、実際のアレンジや工夫例を紹介します。
ロックやポップスにおけるバッキングの工夫
ロックやポップスでは、バッキングギターが楽曲全体の勢いを決めることが多いです。たとえば、サビでパワーコード中心の力強いストロークを取り入れることで、曲の盛り上がりを演出できます。また、バース(AメロやBメロ)ではアルペジオやシンプルなコードストロークを使い、サビとの差を際立たせる工夫もよく見られます。
さらに、ミュート(弦を軽く押さえて音を止めるテクニック)やカッティングを加えることで、曲調にグルーブ感や疾走感をプラスできます。バンドメンバーとのアイディア交換を通じて、より個性的なバッキングを目指すのもポイントです。
ジャズやアコースティックでのアレンジ例
ジャズやアコースティックのジャンルでは、バッキングギターには繊細なコードワークやリズム感が求められます。ジャズでは、テンションコードや複雑なリズムを取り入れることで、曲に深みと彩りを与えます。アコースティックギターの場合は、指弾きによるアルペジオや、軽やかなストロークで曲の雰囲気を柔らかく演出します。
これらのジャンルでは、音の強弱や間(ま)を意識した演奏が大切です。また、他の楽器と音の重なりを避けるために、弾くフレーズやリズムパターンを工夫することもポイントとなります。アレンジの幅が広がることで、より豊かなバンドサウンドを作れます。
他楽器との連携とグルーブ感の出し方
バッキングギターが他の楽器と息を合わせることで、バンド全体のグルーブ感が生まれます。特にドラムやベースとリズムを揃えることが重要です。同じリズムパターンで演奏したり、アクセントの位置をそろえることで一体感が増します。
また、キーボードや管楽器と音域が重ならないように意識するのも大切です。パートごとに役割を分担し、互いの音を聴きながら演奏することで、バンド全体のまとまりがよくなります。コミュニケーションを密に取り合いながら演奏する習慣を持つと、より良いサウンドを実現できます。
バッキングギター上達のための練習法
バッキングギターを上達させるには、日々の練習の積み重ねが大切です。ここでは効果的な練習方法を紹介します。
リズム感を鍛える具体的な練習方法
リズム感を身につけるためには、メトロノームを使った練習が非常に有効です。一定のテンポでコードストロークやカッティングを繰り返し、リズムのズレを自分で確認する練習を日課にしましょう。
また、ドラムのリズムパターンに合わせて練習する方法も効果的です。好きな楽曲のリズムだけを流し、それに合わせてストロークやアルペジオを弾いてみることで、実践力が身につきます。リズムが安定すると、バンド内での信頼感も高まります。
コードチェンジをスムーズにするポイント
コードチェンジを滑らかにできると、曲の流れが自然になり演奏も楽しくなります。まずは簡単な2つのコードで往復練習を繰り返しましょう。指の動かし方を体で覚えることが大切です。
さらに、コードチェンジの際は次に押さえるコードの形を頭の中でイメージしてから動かします。無駄な動きを減らし、指の位置を最短距離で移動させる練習を心がけると、スムーズに弾けるようになります。失敗しても焦らず、ゆっくり繰り返し練習することが上達のポイントです。
おすすめの練習曲と効果的な自主練習
バッキングギター初心者におすすめの練習曲には、シンプルなコード進行で構成されているJ-POPや洋楽のロックナンバーがあります。たとえば「Let It Be(ビートルズ)」や「小さな恋のうた(MONGOL800)」は、定番のストロークやコードチェンジが学びやすい曲です。
効果的な自主練習としては、以下の方法が挙げられます。
- 曲の一部分だけを繰り返し練習する
- スマホの録音機能を使い、自分の演奏を客観的に聴く
- バンドスコアや動画教材を活用する
これらを組み合わせることで、実際の演奏に近い感覚で練習できます。自分に合った曲や方法を見つけて、無理なく続けることが大切です。
まとめ:バッキングギターが音楽全体を支える理由
バッキングギターは、曲の土台を作り出し、バンド全体のサウンドをまとめる役割を果たしています。コードやリズム、他楽器との連携など、多彩なテクニックが求められます。
初心者から経験者まで、演奏力を磨くことでバンドの音楽がより豊かになります。日々の練習でテクニックを身につけ、さまざまなジャンルやアレンジに挑戦することで、バッキングギターの魅力を存分に感じることができるでしょう。
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