アコースティックギターの生音に近い響きをアンプやPAで再現したいと考える人は多いです。どんなピックアップを選ぶか、どう取り付けて調整するかで音の印象は大きく変わります。この記事では種類ごとの特徴や取り付け時の注意点、チューニングのコツをわかりやすく解説します。演奏スタイルや予算に合わせて選べるよう、比較しながら読み進めてください。
アコギのピックアップで生音に近い音を狙うならこれ
マイクとピックアップを組み合わせると、より自然な音が得られます。ピックアップ単体では拾いきれない空気感や弦の微細な響きが、コンデンサーマイクなどで補えるからです。特にライブや録音で生音に近づけたい場合は、マイクを前方に立てつつピックアップで安定した出力を確保する方法がよく使われます。
ただし、マイクを使うとハウリング対策や設置スペースの確保が必要になります。ステージではモニターや観客の配置も影響するため、ピックアップとマイクの音量バランスや位相調整を事前に確認しておくと安心です。屋内での録音ならマイクの立て位置を変えながら最も自然に聞こえるポイントを探しましょう。
耐久性や移動のしやすさを重視するなら、ピックアップ単体で十分な場合もあります。機材の扱いやセッティング時間、予算を踏まえて最適な組み合わせを選んでください。
マイクとピックアップのブレンドが自然さを高める
マイクは楽器が放つ空気の振る舞いや共鳴を捉え、ピックアップは弦やボディの直接的な振動を安定して拾います。これらを混ぜると、空間感と輪郭の両方を同時に得られるため、聴感上の自然さが増します。マイクはコンデンサー型が主流で、キャビネットやルームの響きも含められるのが利点です。
ブレンドのコツはレベル差だけでなく位相合わせとEQです。マイクとピックアップの位相が合っていないと音が薄くなるため、位相反転やフェーズ調整で確認します。EQではピックアップ側の尖った中高域を少し抑え、マイク側の中低域を持ち上げるとよく馴染みます。
また、ライブでは機材の耐久性や設置時間も考慮が必要です。マイクを使えない状況や騒音が多い場所では、ピックアップを中心に調整する方が実用的です。条件に合わせて比率を変えられるプリセットがある機材を選ぶと便利です。
ピエゾだけだとやや硬い音になることがある
アンダーサドルなどのピエゾピックアップは弦の振動を直接電気信号に変換するため、立ち上がりが速くハリのある音になります。そのため生音の柔らかさやボディの余韻が少なく感じられることがあります。特に高音域にやや硬さや金属的な成分が出やすい傾向があります。
この傾向はプリアンプやEQである程度緩和できます。低域を少し持ち上げ、中高域のピークを削ると暖かみが増します。またピエゾの設置位置やサドルとの接触状態によっても音色が変わるため、微調整で改善が見込めます。
ピエゾだけで自然さを出したい場合、サウンドホールのマイクやボディコンタクトと併用するのが有効です。あるいはピエゾの出力が強い場面ではアタック感を抑えるためにアタックタイムの短いコンプレッサーを控えめにかけることも有効です。
マグネットは弦のニュアンスを素直に拾う傾向
サウンドホールマグネットやサドル近傍のマグネット式ピックアップは、弦自体の振動を磁気的に捉えます。ピエゾよりも弦のニュアンスやダイナミクスを素直に拾いやすく、指やピックのタッチがそのまま反映されやすいのが特徴です。
ただし、ギター本体の共鳴やボディの余韻はあまり拾わないため、音にややドライな印象が出ることがあります。マイクやボディ振動を拾うコンタクトピックアップと組み合わせると全体のバランスが良くなります。
取り付けが簡単で取り外しもしやすいモデルが多く、ライブでの使用やレンタルギターへの装着にも向いています。音の定位が明確なのでバンドアンサンブルでも他楽器に埋もれにくい利点があります。
プリアンプとEQでより自然に整えられる
プリアンプはピックアップの出力を整え、EQで帯域のバランスを調整する重要な役割を持ちます。ピエゾの硬さを和らげたい場合は中高域のピークを抑え、低域やボディ感を強調したい場合はロー帯域を少し持ち上げます。
また、位相調整やハイパスフィルター、ゲインリダクションを適切に使うことでフィードバックを抑えつつ自然さを保てます。アコギ用の専用プリアンプは中域の調整が繊細にできるものが多く、実際の音に近づけやすいです。
ライブでは簡単にスイッチでプリセットを切り替えられる機材が便利です。録音ではマイク+ピックアップのブレンドを細かく調整し、ルームノイズや位相関係に気をつけながらEQをかけましょう。
取り付け可否と予算で候補を絞る
ピックアップ選びはギターの構造と予算に左右されます。アンダーサドルは本体の加工やサドルの取り外しが必要な場合があり、工賃やリスクを考慮する必要があります。一方でクリップ式やマグネット式は穴開け不要で手軽に導入できます。
予算面ではピエゾのシンプルなモデルは比較的安価ですが、品質の良いプリアンプやブレンド機能が付くと価格は上がります。マイクを併用する場合はマイク本体やスタンド、プリアンプも必要になるため総額はさらに増えます。
まずは自分の演奏環境(ライブ中心か録音中心か)、ギターの加工許可、持ち運びやすさを整理してから候補を絞ると失敗が少なくなります。
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ピックアップの種類と生音に近い音への向き不向き
ピックアップにはいくつかの種類があり、それぞれ得意な音色と不得意な部分があります。アンダーサドルのピエゾ、サウンドホールマグネット、コンタクトピックアップ、コンデンサーマイク、そして複数を組み合わせるデュアルブレンドの特徴を理解しておくと選びやすくなります。
用途や演奏環境によってはこちらを組み合わせることでバランスの良い音作りが可能です。簡単に取り付けられるものから加工が必要なものまであるので、取り扱い性やメンテナンスも選定基準に入れてください。
アンダーサドルピエゾの特徴と音色
アンダーサドルピエゾはサドルの下に取り付けるタイプで、弦の振動を直接拾うため出力が安定しています。アタックの明瞭さやレベルの一貫性が得られるので、ライブ向けの安心感があります。
一方でボディの空気感や低域の豊かさが弱まりやすく、高域が強調されるためやや硬い印象になることがあります。EQで調整すると改善できますが、それでも微妙な共鳴感はマイクに軍配が上がります。
加工が必要な場合が多く、取り付け時にはギターの構造や楽器への影響を考慮してください。取り付け可否が分かれば予算や目的に応じて有力な選択肢になります。
サウンドホールマグネットの特徴
サウンドホールマグネットは取り付けが簡単で、磁気で弦の振動を拾います。装着・取り外しが容易なのでレンタルや複数ギターでの運用に便利です。弦のニュアンスを素直に出す傾向があり、指の表現が伝わりやすいのが特徴です。
ただしサウンドホールに置く位置によって音色が変わりやすく、ボディの共鳴はあまり拾いません。ライブでの使い勝手やコスト面が魅力で、他のピックアップやマイクと組み合わせるとより自然な音になります。
コンタクトピックアップは振動を直に拾う
コンタクト(ボディ)ピックアップはギターの表板に接着してボディの振動を直接拾います。ボディの共鳴や低域の豊かさを比較的よく捉え、ナチュラルな空気感が出やすいのが長所です。
ただし取り付け位置や接着方法で音が大きく変わるため、セッティングの手間がかかります。振動以外のノイズを拾いやすいこともあるため、配線の取り回しや接着面の処理に注意が必要です。
コンデンサーマイクは音場を再現しやすい
コンデンサーマイクは弦とボディの共鳴、部屋の響きまで含めた音場を収音できます。録音では最も自然なイメージに近づける手段で、立て位置を変えることで音のキャラクターを細かく作れます。
ライブではハウリングや設置スペースの制約があるため扱いが難しいことがあります。スタジオや静かな会場での使用を中心に考えると良い選択です。
デュアルブレンドの効果と使いどころ
デュアルブレンドはピックアップとマイク、あるいは異なるピックアップ同士を混ぜる仕組みです。片方の短所をもう一方で補い、全体として自然な音に近づけられます。たとえばピエゾの明瞭さとマイクの空気感を組み合わせることで、細かい表現と豊かな響きを両立できます。
セッティングは手間がかかりますが、録音や重要なライブで差が出ます。かけられる時間や機材の扱いやすさを踏まえて導入を検討してください。
生音に近いピックアップの選び方のポイント
ピックアップ選びは音の好みだけでなく、演奏環境やギターの構造、機材との相性を考える必要があります。各ポイントを整理しておくと、後悔の少ない選択ができます。ここではチェックすべき要素を具体的に挙げます。
演奏スタイルで重視する点を決める
ソロで繊細な表現を重視するならマイク併用やコンタクト寄りの構成が向いています。バンドでの演奏やハウリングが懸念される場面ではピエゾやマグネットの安定した出力が有利です。
アコースティックソロ、アンプ直結の録音、ライブの大型会場など、実際の使用シーンごとに何を優先するかを決めると機材選びが楽になります。必要であれば異なる用途で使い分けることも考えてください。
ギターのサドル幅や内部を確認する
アンダーサドルや内部取り付けが可能かどうかはギターの構造によります。サドルの幅やブレース配置、内部スペースを事前に確認しておくと工事の可否や難易度が分かります。簡単に取り外せないギターや高価な楽器では非侵襲の選択肢を優先するのが無難です。
メーカーや楽器店に現物を見てもらうと安心です。DIYでの取り付けはリスクを伴うことを覚えておいてください。
アクティブとパッシブの差を理解する
アクティブ(電源あり)モデルは出力が安定し、EQやブレンド機能を搭載している場合が多いです。パッシブはシンプルでバッテリー不要ですが、出力や音作りの自由度が制限されます。用途に応じてどちらが合うかを判断してください。
長時間のライブや遠征ではバッテリー管理が必要な点も考慮しましょう。
接続機材に合わせた出力形式を選ぶ
ダイレクトにPAへ送るのか、ギターアンプ経由にするのかで出力形式(アンバランス/バランス、XLR/TRSなど)を確認しましょう。バランス出力はノイズ対策に有利で、PAへ直結する場合は便利です。既存の機材とケーブルが合うかどうかもチェックポイントです。
必要ならDIボックスやプリアンプを介して整えることを検討してください。
評判と試奏で最終判断する
レビューや実使用者の意見は参考になりますが、最終的には試奏して自分の耳で確かめることが大切です。可能なら同じ機材を自分のギターで試し、ステージや録音環境に近い条件で確認すると失敗が少なくなります。
店頭試奏が難しい場合はレンタルや貸出サービスを利用すると実用感が掴みやすいです。
取り付けと音作りのチューニング
取り付けの方法や設置後の音作りは、最終的な音質に直結します。加工不要で手軽に済ませる方法から、内部加工を伴う本格的な取り付けまであります。ここでは取り付け時の注意点と、その後のEQや位相調整、ハウリング対策を解説します。
加工不要の取り付け手順と利点
クリップ式やマグネット、外付けコンタクトは穴あけ不要で短時間で装着できます。メリットはギターに傷を付けず、取り外しが容易な点です。ライブで複数ギターを使う場合や、楽器をレンタル・共有するケースに向いています。
取り付け時は位置で音が大きく変わるため、数センチ単位で動かして最適位置を探してください。ケーブルの取り回しと固定も忘れずに行い、ステージでの不具合を防ぎます。
加工を伴う取り付けの注意点
アンダーサドルや内部取り付けは音質面で有利なことが多い一方、作業は専門の技術を要します。サドルやブレースの加工、内部スペースの確保などで楽器にダメージが出るリスクがあるため、経験のある工房に依頼することをおすすめします。
加工前に明確な見積もりを取り、保証や元に戻す方法についても確認しておくと安心です。
プリアンプでの基本EQとゲイン設定
プリアンプではまずゲインを適正に設定し、クリップしない範囲でダイナミクスを確保します。EQは中域の存在感を中心に整え、ピエゾの硬さが気になるときは中高域のピークを軽くカットします。低域は少し持ち上げるとボディ感が増しますが、過剰にすると濁るので注意が必要です。
また、必要に応じてハイパスで低周波ノイズをカットし、コンプレッサーでダイナミクスを適度に整えるとライブでの扱いやすさが向上します。
マイクとピックアップの位相を合わせる方法
位相ズレがあると音が薄くなるので、マイクとピックアップを同時に使う際は位相を確認します。簡単な方法は両方を鳴らしながら位相スイッチで反転させ、より厚みのある方を選ぶことです。細かくはDAW上で波形をチェックすると正確に合わせられます。
位相は演奏位置やマイクの向きで変わるため、本番前に必ず確認しておくことが大切です。
ハウリング対策とステージでの調整
マイクを使う場合はハウリングが起きやすいため、モニター位置やスピーカーの向きを見直します。EQでハウリングが起きる帯域を抑え、必要ならフィードバック・イレーサーを使うと有効です。
ライブでは短時間で音作りを済ませることが求められます。プリセットを用意しておき、状況に応じてサッと切り替えられるようにしておくと安心です。
これだけは押さえておきたい生音に近いピックアップのチェック項目
選ぶ前に確認しておくべきポイントをまとめます。これらを抑えておくと失敗が減ります。
- ギターの構造(サドル幅、内部スペース、サウンドホールの形状)
- 使用目的(ライブ中心か録音中心か、屋内か屋外か)
- 取り付けの可否と加工の有無、工賃
- 出力形式(アンバランス/バランス、コネクタ形状)
- プリアンプやDI、マイクとの相性
- バッテリー管理や耐久性、取り外しのしやすさ
- 試奏やレビューでのフィードバック、店頭での実機確認
これらを基準に検討すると、演奏スタイルや環境に合った自然な音に近いピックアップを見つけやすくなります。
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