テンションコードとは何か?音に「色」を足す使い方とまず試す例

テンションコードは、コードに追加の音を加えて響きを豊かにするための手法です。慣れると曲の雰囲気を細かくコントロールでき、穏やかな色合いから緊張感のあるサウンドまで幅広く表現できます。ここでは基本的な考え方や聞こえ方、楽器ごとの押さえ方、作曲での使いどころまで順に紹介していきます。実際に弾きながら試せる短い例も載せているので、気になる箇所から読み進めてください。

目次

テンションコードとはどんな響きを曲に加えるか

一言でいうと音に色を足す

テンションコードは、基本の三和音(根音・長短三度・五度)にさらに高い音を重ねて、和音の「色」を増やすものです。単純なメジャーやマイナーだけでは出せない微妙なニュアンスを演出できます。追加する音は9度、11度、13度などと呼ばれ、これらが和音の性格を変えていきます。

テンションは直接的に和音の明暗や浮遊感、緊張感を作ります。例えば9度は穏やかな伸びを与え、11度は少し浮遊する中性的な響き、13度はジャズやソウルで使われる濃い味わいを足します。どのテンションを選ぶかで曲の印象がかなり変わるため、場面に応じて使い分けると良いでしょう。

具体的な選び方は後のセクションで触れますが、まずは耳で違いを確認して、好きな響きを見つけることをおすすめします。

どのように響きが変わるか

テンションを加えると和音の輪郭がぼやけることがありますが、それが魅力になります。9度を足すと和音が 前に出やすく、メロディと馴染みやすくなります。11度は不協和感を生むことがあり、コードに浮遊感や空間性をもたらします。13度は低域の印象を変えずに高域で豊かさを増やします。

響きの変化は、どの音を省略するかやボイシングによっても大きく変わります。例えば五度を省くとテンションがより際立ち、三度を省くと和音の長短が曖昧になります。録音やアレンジの状況に応じて、どの声部にテンションを置くか考えるとバランスが取りやすくなります。

また、テンション同士の組み合わせでも印象が変わります。9と13を同時に使うと穏やかさと厚みが同居し、11を加えると一気にモダンな空気が出ます。まずは少ない音数で試して、少しずつ増やしてみると扱いやすいです。

変化を感じやすい場面

テンションが効果的に働くのは、コードが長く保たれる場面です。イントロや間奏、サビの最後など、和音がじっくり鳴る瞬間にテンションの色が際立ちます。短いコードチェンジが続く場面では効果が伝わりにくいことがあります。

また、メロディが和音の上で動くところでもテンションは有効です。メロディとテンションが調和すると、和音がメロディを引き立てます。逆にメロディとぶつかると不協和になるので、その場合はテンションを外すか別のテンションに変えると良いでしょう。

テンポや編成も影響します。スローテンポやアコースティック編成ではテンションの響きがはっきり聴こえやすく、速いテンポや密なアレンジでは控えめにするのが安全です。

代表的に使われる音楽ジャンル

テンションコードはジャズで特に多用されますが、ポップスやR&B、ソウル、フュージョンなどでも頻繁に使われます。ジャズでは複雑なテンションの連続が普通で、和声の移り変わりが豊かになります。

ポップスやR&Bではメロウな雰囲気を作るために9や13が好まれます。ロックやフォークではテンションは控えめですが、曲のアクセントとして11度やadd9が用いられることがあります。ジャンルごとの特性を理解すると、違和感なくテンションを取り入れられます。

どのジャンルでも、目的に合わせてテンションを選ぶことが重要です。浮遊感を出したければ11、温かみや馴染みを狙うなら9や13が向いています。

抑えておきたい基本ルール

テンションを扱う際は、まず三度の有無に注意してください。三度があるかで和音の長短が決まるので、三度を省略すると響きが曖昧になります。五度は省略してもテンションが際立ちやすくなります。

テンションは必ずしも単独で使う必要はありません。9と13を組み合わせたり、7度との関係を考えたりすると豊かな和音が作れます。ただし、11度は三度とぶつかることがあるので注意が必要です。耳で確認しながら、過度に詰め込みすぎないようにしましょう。

最後に記譜法や表記に慣れておくとアレンジがスムーズです。次の章で種類と表記方法を詳しく見ていきます。

まず試すと良い短い例

簡単に試せるのは、Cメジャーにadd9を加えることです。C-E-GにDを足すだけで柔らかい広がりが出ます。もう一つはG7に13(E)を加える例で、G-B-D-FにEを重ねるとジャズっぽい色が出ます。

練習のコツは、まずルートと三度を押さえてからテンションを探すことです。ギターやピアノで音を一つずつ足していけば、どのテンションが好みか掴みやすくなります。自分の耳で違いを感じ取りながら進めると上達が早いです。

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テンション音の種類と表記方法

9度系の特徴

9度系は、基本のオクターブ上にある2度の音で、和音に穏やかな広がりを与えます。記譜上は「9」や「add9」と表され、メロディと馴染みやすいのが特徴です。コードに軽い色付けをしたいときに使いやすく、ポップスやR&Bでよく登場します。

9度は三和音の性格を大きく変えず、やわらかく響きます。テンポが遅めの曲や静かなパートで特に効果が出やすく、ボーカルの後ろでコードを支える場面に適しています。オルタード(♭9や♯9)になると一気に緊張感が増すので、使う場面を選ぶ必要があります。

楽器別ではピアノの左手でルートと三度を押さえ、右手で9度を重ねるとバランスがよくなります。ギターでは開放弦を活かしたフォームが使いやすく、押さえ方次第で色合いが変わります。

11度系の聞こえ方

11度系は、和音に浮遊感や少し不安定な響きを与えます。記譜では「11」や「sus4」に近い性格を持つことがあり、三度との関係に注意が必要です。ナチュラルな11度は時に三度とぶつかり、和音が曖昧になるので、用途を考えて配置することが大切です。

11度は空間的な広がりを作るのに向いています。アンビエントやフュージョン、モダンなジャズで多用され、コードを浮かせる効果が欲しいときに適しています。オルタードの♯11や♭11は一層モダンで緊張感のある色を生みます。

ギターでは11度を含むフォームはやや押さえづらいことがあるので、省略や代替音で調整すると実用的です。ピアノでは右手で高域に11度を置き、左手はコードの土台を固めると安定します。

13度系の役割

13度は和音に厚みとエネルギーを与えるので、ソウルやジャズで重宝されます。記譜では「13」と表し、和音の上で低めの高次倍音を補強する役割を果たします。13度を入れるとハーモニーが豊かに感じられ、コードがより「濃厚」になります。

このテンションはベースや低域と干渉しにくく、高域での存在感を示します。ドミナントコードに13度を加えると解決への期待感が強まり、サブドミナントやトニックに加えると色気を出せます。オルタードの形(♭13など)はより緊張感のある響きを作ります。

扱い方としては、五度を省略したり三度と7度を明確に保つことがポイントです。ボイシング次第で温かくも鋭くもできる柔軟さがあります。

addと数字表記の違い

addは元の三和音に特定の音を「追加する」ことを示します。たとえばadd9は三和音に9度を足す形で、7度が含まれない点が特徴です。一方、単に「9」や「13」と表記された場合、7度が含まれることが前提のケースが多いです。

この違いにより響きが変わります。add表記は比較的シンプルで軽い色付けになり、数字だけの表記はテンション同士の関係性でより複雑なサウンドを生みます。譜面を見るときは7度の有無を確認すると誤解が減ります。

ナチュラルとオルタードの区別

ナチュラルは度数そのままの音で、穏やかな広がりを生みます。オルタード(♯や♭が付く)は度数を半音ずらしたもので、より緊張感の高い響きになります。オルタードはドミナントの導音として強い効果を持ち、解決に向けた張りを作ります。

選ぶ際は曲の和声進行やメロディとの相性を考えてください。オルタードは効果的ですが過剰に使うと不自然に聞こえることがあるので注意が必要です。

異名同音に注意する理由

同じ音でも呼び方が違うと和声的な意味合いが変わります。たとえば♯11は実音としては♭5と同じ高さでも、和声分析や進行の中では役割が異なります。譜面やアレンジでどう機能させたいかを考えて正しい表記を選ぶことが大切です。

間違った表記は演奏者の解釈を混乱させるため、和声の意図に沿った表記を心がけてください。

コードの土台別にテンションを選ぶ方法

メジャー系で相性の良いテンション

メジャーコードには9や6(13として扱う場合もある)がよく合います。これらは明るさを残しつつ柔らかさを足すので、ポップスやバラードで使いやすいです。11度は三度とぶつかることがあるため、使う場合はsus的な扱いにするか三度を省略するとまとまりやすくなります。

メジャーセブンス系(Maj7)には9や13を足すと上品に響きます。ボイシングは三度を明確に保ち、高域にテンションを置くと混濁を避けられます。

マイナー系で響きを豊かにする音

マイナーコードには9(特にナチュラル9)や11がよく合います。9を加えると哀愁が増し、11を加えるとやや浮遊する感触が出ます。13は使うことが少ないですが、特定のジャズやR&B的な色を出したいときに効果的です。

マイナー系では三度(短三度)をしっかり保つことで和音の性格が維持されます。三度を省いてしまうとモード的な曖昧さが出るため、狙いに応じて使い分けてください。

ドミナント系で効くテンション

ドミナント(7)にはテンションがよく映ります。♭9や♯9、♯11、13などを使うと解決への緊張が強まり、ジャズのコード進行で多用されます。テンションを加えることで次の和音への導入が滑らかになったり、逆に強い動機付けを作れます。

ドミナントでは7度が基本なので、それを維持した上でテンションを選びます。複数のテンションを組み合わせる場合は不協和が出やすいので耳で確認して調整してください。

セブンスとメジャーセブンの扱い方

セブンス(7)はドミナント的な張りを生み、テンションと合わせると効果的です。メジャーセブン(Maj7)はより静かな和音感があり、テンションを加えると上品な広がりになります。どちらを使うかでコードの動き方が変わるため、曲の方向性に合わせて選びます。

たとえばトニックでMaj7+9を使うと穏やかな居心地を作り、ドミナントで7+♯9を使うと強い解決欲求を作れます。

五度や根音を省く理由

五度を省くとテンションが際立ちやすくなり、和音が軽くなります。ルートを省くことで他の楽器が低域を受け持ちやすくなり、密度の調整が可能です。特にギターやピアノで複数のコードパートが重なる場合、省略は実用的な選択です。

ただし省略のやりすぎは和音の輪郭を失わせるので、どの楽器がどの声部を担当するかを考えて行ってください。

ダイアトニックで導き出す手順

ダイアトニック(キー内の音)を基準にすると、安全にテンションを選べます。まずキーのスケールを確認し、各コードに対して9・11・13がそのまま使えるかを見ます。スケール外のテンションはオルタードとして扱い、意図的な効果として使うと良いでしょう。

この手順を繰り返すことで、和声の整合性を保ちながらテンションを導入できます。実際に弾きながら確かめることを忘れないでください。

楽器別の押さえ方とボイシングの工夫

ギターの6弦ルート定番フォーム

6弦ルートのフォームは低域がしっかりして扱いやすいです。ルートと五度、三度をベースにしつつ、高弦で9や13を足すとバランスが良くなります。たとえばCmaj9を6弦ルートで弾く場合、ルート(C)を低く押さえつつ高弦にDやEを配置すると広がりが出ます。

押さえにくいテンションは省略や代替音で対応すると実用的です。バレーコードの形を少し変えてテンションを含めると、読みやすく演奏しやすくなります。

ギターの5弦ルートでの応用

5弦ルートフォームは移調がしやすく、テンションを加えたボイシングを簡単に作れます。特に9や13は5弦ルートのフォームで自然に配置でき、シャープやフラットのテンションも比較的押さえやすいです。

このフォームはベースが上昇するラインと合わせやすく、コード進行の中でテンションを動かすと効果的です。演奏時は高域の余韻を意識して弾くと雰囲気が出ます。

ギターで省略を活かすコツ

ギターでは指の制約があるため、五度やルートを省略してテンションに重心を置くことが多いです。特にバッキングで他の楽器が低域を補う場合、ギターは中高域のテンションを担当すると分離が良くなります。

開放弦やハーモニクスを利用してテンションを自然に響かせるのも有効です。シンプルなフォームで色を出すことを意識してください。

ピアノの簡単なボイシング例

ピアノは両手で役割を分けやすく、左手でルートと五度を押さえ、右手で9や13を加えると安定します。たとえばCmaj9なら左手でC-G、右手でE-Dを弾くとバランスが良いです。

テンションが多い場合はオクターブを分けて配置し、高域に集めると混濁を避けられます。和音をゆったり鳴らすパートでは分散和音にして響きを伸ばすのも効果的です。

ピアノでの左右の分担方法

左手は低域の土台をしっかり保ち、右手は色付けを担当するとクリアに聞こえます。中域の扱いはアンサンブルの他楽器との兼ね合いで決めると良いでしょう。

また、左手を省略気味にしてベースやギターに低域を任せることで、ピアノの右手がより繊細なテンションを表現できます。

アンサンブルでの声部の分け方

テンションは楽器間で分散させると混雑を避けられます。ベースはルートを担い、ギターやピアノでテンションを分担すると音の重なりが整理されます。ボーカルがいる場合はメロディとテンションがぶつからないように配置を考えてください。

声部の割り振りを明確にすることで、各楽器の役割がはっきりし、テンションの効果が最大化されます。

作曲やアレンジでの使いどころと注意点

イントロや間奏での効果的な使い方

イントロや間奏はテンションを目立たせる好機です。じっくり和音を鳴らせる場面でテンションを入れると曲の色が決まりやすくなります。特にピアノやギターのアルペジオと組み合わせると空間的な広がりが出ます。

長く保たれるコードに少しだけ不協和を加えると、次の展開への期待感が生まれます。過度に多用せず、場面に合わせて効果的に配置してください。

歌ものでメロディと合わせる工夫

歌ものではメロディとの干渉を避けることが重要です。メロディがテンションと重なる場合、どちらを優先するかを決めて配置してください。メロディを引き立てたい場面ではテンションを控えめにするか、違うオクターブに移すと良いです。

コーラスやハーモニーにテンションを重ねると、声が豊かに聞こえます。ボーカルの音域やフレーズに合わせてテンションを選ぶことを意識してください。

楽器間のバランスを取るポイント

テンションは高域に配置することが多く、低域を担当する楽器とぶつからないように注意してください。混雑を避けるために、楽器ごとに音域を分け、役割を明確にすると全体がすっきりします。

録音時はEQやパンニングでテンションの存在感を調整するとバランスがとりやすいです。必ずモノ環境でもチェックして崩れがないか確認してください。

テンションの多用を避ける基準

テンションを多用すると和声が重くなり、メロディの輪郭がぼやけることがあります。テンションは効果を狙って使うのが良く、すべてのコードに付けるのは避けたほうが落ち着いたサウンドになります。

目安としては、長く鳴るコードや重要な場面に重点的に使い、短い経過和音やリズミカルなパートでは控えるとバランスが取りやすいです。

コード進行で雰囲気を作る応用例

テンションを動かすことでコード進行に色の変化を作れます。例えばトニックにMaj9を置き、ドミナントに♯11を加えて次のトニックに戻ると、空間的な移行感が生まれます。テンションの増減を利用して静と動の対比を作成すると曲が引き締まります。

進行の中でテンションを段階的に変化させると流れに自然さが出ます。小さな差を積み重ねるだけで印象が大きく変わります。

ジャンル別の代表的な使い分け

ジャズでは複数のテンションを同時に使うことが多く、緊張と解決を活かした表現が中心です。R&Bやソウルでは9や13で温度感を出し、ポップスではadd9やadd11でアクセントを付けます。ロック系は控えめに使いつつも、フックの場面でテンションを入れると効果的です。

曲の目的に合わせてテンションを選び、ジャンルの空気感に馴染ませることが大切です。

今日から試せるテンションコードの短いチェックリスト

  • 曲のどの場面でテンションを目立たせたいか決める(イントロ/間奏/サビの終わりなど)
  • 使用するコードの三度をまず確認する(長短を保つか省略するか)
  • 9・11・13それぞれの音を単体で試して耳で違いを確かめる
  • ドミナントにはオルタード系を試し、解決感を意識する
  • ギターは五度やルートの省略を活用して中高域にテンションを配置する
  • ピアノは左右で土台と色付けを分担してボイシングする
  • メロディとテンションがぶつからないかチェックする
  • 多用を避け、重要な場面に絞って配置する
  • ダイアトニックなテンションから入り、必要ならオルタードを追加する
  • 実際に録音してモノラル再生でバランスを確認する

これらを順に試しながら、自分の曲に合うテンションの使い方を見つけてください。

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この記事を書いた人

4歳でピアノを始め、大学ではキーボード担当としてバンド活動に没頭。社会人バンドも経験し、長年「音を楽しむ」スタンスで音楽と向き合ってきました。これから楽器を始めたい人や、バンドに挑戦してみたい人に向けて、音楽の楽しさを発信しています。

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