アコギピックの種類と特徴を知ろう

アコースティックギターの演奏に欠かせないピックは、形や種類によって持ちやすさや音色が変わります。まずは代表的な種類と特徴を知りましょう。
定番の形状ティアドロップ型とトライアングル型の違い
アコギ用ピックでよく見かけるのが、ティアドロップ型とトライアングル型です。ティアドロップ型は涙のような形をしており、先端が細く弦へのアタックがはっきり出ます。持ちやすく小回りが利くため、単音弾きや細かいプレイに向いています。一方、トライアングル型は三角形で、3つの角どこからでも使えるのが特徴です。大きめサイズなので持ちやすく、ストローク(コードをジャカジャカ弾く奏法)にも適しています。
どちらも一長一短があり、弾きたい曲の雰囲気や自分の手の大きさ、好みによって最適な形が異なります。まずはこの2種類から試し、自分のフィーリングに合うものを見つけるのが良いでしょう。
ジャズ型サムピックなど特殊な形の特徴
定番以外にも、個性的なピックの形があります。たとえば「ジャズ型」はティアドロップ型よりさらに小さく、速いフレーズや細かい表現に向いています。小ぶりなので指先の感覚を活かしたい方におすすめです。
また、「サムピック」は親指にはめて使うタイプで、フィンガーピッキング(指弾き)とピック弾きの良いとこ取りができます。ベース音をピックで鳴らしつつ、残りの指でメロディや和音を弾くスタイルに最適です。特殊な形状は少し慣れが必要ですが、プレイスタイルが広がります。
初心者におすすめの形と選び方のポイント
これからアコギを始める方には、ティアドロップ型やトライアングル型の標準サイズがおすすめです。手に収まりやすく、コントロールしやすいので違和感なく使えます。
選ぶときは、まず自分の手の大きさや握力に合うサイズかどうかを確認しましょう。迷った場合は、標準サイズを複数用意し、実際に持ってみて感触を比べてみるのが安心です。また、何種類かの形を揃えておくと、練習しながら自分の好みを探しやすくなります。
ピックの厚さと素材が音に与える影響

ピックは厚さや素材によって音のニュアンスが大きく変わります。自分の理想のサウンドを知るためにも、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
薄いピックと厚いピックのサウンドの違い
薄いピックは0.5mm以下の厚さが多く、しなやかで柔らかな音色が特徴です。ストローク時に弦をなめらかに弾けるため、リズムに優しさや広がりが生まれます。ただし、強く弾くとピックがたわみやすいため、ピッキングのアタックを強調しにくい傾向があります。
逆に1.0mm以上の厚いピックは、しっかりとした手応えがあり、歯切れのよい音や力強いサウンドが出せます。単音弾きやアルペジオなど、弦1本1本の音を鮮明に出したいときに向いています。厚すぎると初心者には扱いが難しい場合もあるので、まずは中間的な厚さから試してみるとバランスがとりやすいです。
セルロイドナイロントーテックスなど素材別の特徴
ピックの素材は音や弾き心地に大きく影響します。代表的な素材と特徴は下記の通りです。
素材 | 特徴 | サウンド傾向 |
---|---|---|
セルロイド | しなやか、手触りが滑らか | 明るくパリッとした音 |
ナイロン | 柔らかくしっとり、滑りにくい | やや丸みのある音 |
トーテックス | ザラつき感がありグリップしやすい | 太くウォームな音 |
それぞれの素材によって、ピックの滑りやすさや指へのフィット感も異なります。好みや演奏スタイルに合わせて選んでみてください。
素材と厚みの組み合わせで変わるプレイスタイル
同じ厚さでも素材が変わると、音の印象や弾き心地に違いが出ます。たとえば、厚めのナイロンピックは滑りにくく、しっかりと力を伝えられますが、音はやや柔らかめになります。逆に薄いセルロイドピックはしなやかさが増し、軽やかなサウンドが得られます。
また、トーテックス素材は厚みがあっても指にしっかりなじむので、力強いプレイがしやすいです。自分がどのようなスタイルで演奏したいか、またどんな音色を求めるかによって、素材と厚みの組み合わせを工夫してみると良いでしょう。
アコギピックの選び方と失敗しないコツ

自分に合うピックを見つけるには、サイズや素材だけでなく、価格や実際の使用感も大切です。選び方のコツを押さえておきましょう。
手に合うサイズと形状の選び方
ピックは手にしっくりとくるサイズや形が重要です。小さすぎると持ちにくく、演奏中に落としやすくなります。逆に大きすぎても指が疲れやすくなるため、自分の手や指の太さに合わせて選ぶようにしましょう。
また、指先の感覚を重視したい場合は小ぶりなティアドロップ型、安定感やストロークのしやすさを求めるならトライアングル型が適しています。いくつかの形を実際に持って比較し、長時間弾いても疲れにくいものを選ぶことが大切です。
ピック選びで押さえたい価格と耐久性
ピックは消耗品なので、手軽な価格で手に入るものも多いです。安価なものでも品質が安定しているブランドを選べば、初心者でも安心して使えます。
耐久性にも注目しましょう。素材によっては、弾いているうちに先端が削れたり、欠けやすい場合があります。セルロイドやナイロンは比較的耐久性が高いですが、強く弾く人は消耗が早いこともあります。ストックをいくつか持ち、気軽に交換できるようにしておくと安心です。
実際に使ってみることの重要性
ピックはカタログやレビューだけでは分からない部分も多いです。自分で実際に弾いてみることで、指先へのフィット感や弦との相性を体感できます。
楽器店で試奏用ピックを借りられる場合もあるので、気になる種類をいくつか試してみましょう。演奏中に滑りやすいか、音が理想に近いかなど、細かな違いを感じて選ぶことが納得のいくピック選びにつながります。
おすすめのアコギピックと人気モデル紹介

選び方に迷ったら、定番人気モデルや実績のあるブランドのピックがおすすめです。ここでは評価の高いピックや愛用者の多いモデルを取り上げます。
初心者からプロまで定番のアコギピック
多くのギタリストに支持されているアコギ用ピックには、安心感と使いやすさがあります。たとえば「Jim Dunlop Tortex Standard」は、適度なグリップ感とバランスの良さで幅広い層に人気です。
もう一つの定番が「Fender 351 Shape」。セルロイド素材で持ちやすく、明るいサウンドが特徴です。いずれも入手しやすく、厚みやカラーも多彩なため、初心者・経験者ともに手軽に選べるモデルとしておすすめです。
人気メーカー別おすすめピック
ピックを選ぶ際は、信頼できるメーカーを選ぶのもポイントです。よく知られているアコギ用ピックのブランドと特徴をまとめます。
メーカー | 主な特徴 | 人気モデル |
---|---|---|
Jim Dunlop | 多彩な素材とサイズ展開 | Tortex, Jazz III |
Fender | 伝統的なデザインと音色 | 351 Shape, 346 Shape |
Clayton | オリジナル素材と耐久性 | Ultem, Acetal |
各ブランドごとに特徴があるため、好みやプレイスタイルに合わせて試してみると良いでしょう。
プロアーティストが愛用するアコギピック
プロのギタリストも、自分に合ったピックを使っています。たとえば、エリック・クラプトンはFenderのセルロイドピックを愛用しています。また、アコースティックギターの名手トミー・エマニュエルは、厚めのトーテックスピックを使って力強いサウンドを生み出しています。
プロの使用モデルを参考にすることで、新しい発見があるかもしれません。ただし最終的には、自分が弾きやすいと感じるピックを見つけることが大切です。
まとめ:アコギピック選びで音楽がもっと楽しくなる
アコギピックは形や素材、厚さによって音や弾き心地が変わるため、選ぶ過程も音楽の楽しみのひとつです。自分の好みやスタイルに合うピックを見つけて、より充実した演奏を目指しましょう。