CAGEDシステムの基本と仕組みを分かりやすく解説

ギター演奏を効率よく上達させるためにおすすめされるCAGEDシステムは、コードやスケールを覚えやすくする便利な考え方です。ここではその基本と仕組みを分かりやすく解説します。
CAGEDシステムとは何かギター初心者にも分かる概要
CAGEDシステムは、ギターの指板上でコードやスケールを覚えるための手助けをする考え方です。名前の通り、「C(シー)」「A(エー)」「G(ジー)」「E(イー)」「D(ディー)」の5つのオープンコードフォームを利用して指板全体をカバーできる仕組みになっています。たとえば、Cの形を上のフレットへずらすことで、DやEなど別のコードを押さえられるようになります。
多くのギタリストが指板上で迷ってしまう理由は、同じコードでも押さえ方がたくさんあるためです。CAGEDシステムを使うことで、同じ音でも違う形や場所で弾くことができるようになり、演奏の幅が広がります。初心者にも分かりやすいシステムなので、まずはCAGEDシステムの全体像をつかむところから始めてみてください。
5つのコードフォームが指板全体をカバーする理由
CAGEDシステムが便利である理由のひとつは、5つの基本的なコードフォームでギターの指板全体をカバーできる点です。ギターは同じコードでも違う場所で押さえ方が変わる楽器であり、C・A・G・E・Dの5つの形を横にずらしていくだけでどの音にも対応できます。
この考え方は、たとえば「C」のフォームを2フレット上へずらすと「D」として使える、というふうに応用が可能です。下記の表のように、5つのフォームを順番に並べていくことで指板全面で同じコードを押さえることができます。
コード名 | フォームの例 | フレットをずらすと |
---|---|---|
C | Cフォーム | DやEなど |
A | Aフォーム | BやCなど |
G | Gフォーム | AやBなど |
このように、元の形を覚えるだけで応用が利くので、初心者でも取り組みやすいのが特徴です。
CAGEDシステムで覚えると何ができるようになるか
CAGEDシステムを身につけると、コードの押さえ方やスケールの場所を効率よく覚えられるようになります。たとえば、1つのコードしか知らないと演奏の幅が狭くなりますが、CAGEDを使えば指板のどこでも同じコードを弾けるため、バッキングやソロフレーズの自由度が高まります。
また、指板上の音の配置がわかってくるため、アドリブ演奏や作曲にも役立ちます。どのポジションでも自信を持って演奏できるようになり、バンドでの演奏やセッションでも対応力が上がります。こうした効果を実感できるのが、CAGEDシステムの大きな魅力です。
CAGEDシステムの具体的な使い方と練習法

CAGEDシステムを理解したら、実際にどのように使えば良いのか知りたくなる方も多いでしょう。ここでは運指や練習法など、実践的な方法を紹介します。
各フォームごとの運指と押さえ方のポイント
CAGEDシステムで使う5つのコードフォームには、それぞれ押さえ方のコツがあります。たとえば、Cフォームでは指をしっかり開く必要があり、Aフォームではバレー(人差し指で数本の弦を同時に押さえる)が重要になります。GフォームやEフォーム、Dフォームも同様に、それぞれに特徴があります。
練習の際は、以下のようなポイントを意識しましょう。
- フォームごとの指の形をしっかり覚える
- バレーコードは力を抜いて押さえる
- 押さえる指が他の弦に触れないようにする
最初は押さえにくさを感じることもありますが、ゆっくり丁寧にフォームを確認しながら練習することが上達の近道です。
コードを違うキーへ簡単に移動する方法
CAGEDシステムを使うと、覚えたコードフォームを移動するだけで、違うキーのコードも弾けるようになります。たとえば、Cフォームを2フレット上にずらせばDフォーム、さらに上にずらせばEフォームとして使えます。これは「カポ」と呼ばれる道具を使った時と考え方は同じで、自分の指でカポの役割を果たすイメージです。
移動の手順をまとめると次の通りです。
- 弾きたいキーの音を6弦や5弦などで探す
- その音が含まれるフォームを当てはめる
- フォームを移動させて狙ったフレットでコードを押さえる
この方法を覚えると、どんなキーの曲にも柔軟に対応できるようになるので、ぜひ練習してみてください。
スケールやアドリブ演奏への応用例
CAGEDシステムはコードだけではなく、スケールやアドリブにも応用ができます。たとえば、5つのフォームを基準にして、その周辺にあるスケール(メジャースケールやペンタトニック)を覚えていくと、どの位置でもスムーズにメロディやフレーズを作ることができるようになります。
アドリブ演奏では、「どのポジションでもスケールの形が手に馴染んでいる」ことが大きな強みになります。また、コードチェンジに合わせてポジションを切り替える時にも、CAGEDシステムを理解していると指板上で迷わず演奏できるようになります。日々の練習の中で意識的にCAGEDとスケールを組み合わせると、自然とアドリブ力も向上します。
CAGEDシステムのメリットと効果的な活用アイデア

CAGEDシステムは暗記の負担を減らし、演奏の幅を広げるなど多くのメリットがあります。この章では、その利点と具体的な活用アイデアを紹介します。
コード暗記が楽になる理由と指板理解の深め方
CAGEDシステムの大きなメリットは、たくさんのコードを個別に覚えなくても済むところにあります。5つの基本フォームさえ理解すれば、指板全体で同じコードを弾くことができるため、暗記の量がぐっと減ります。
さらに、CAGEDを使うことで指板上の音の配置や関係性が自然に身につきます。指板のどこにどの音があるかを意識しながら練習することで、コードやスケールの理解がより深まります。下記のような工夫もおすすめです。
- 練習の際、コードのルート音を確認しながら押さえる
- 似ているフォーム同士を並べて比較する
- 演奏しながらフォーム名を口に出して覚える
こうした方法で、知識と感覚の両方から指板を捉えられるようになります。
伴奏やソロのバリエーションを増やすテクニック
CAGEDシステムを活用することで、同じコード進行でも異なる位置やフォームで演奏できるため、伴奏やソロのバリエーションが豊かになります。たとえば、バンド演奏では他のギタリストとかぶらないように違うポジションで弾くことで、音の重なりに変化を持たせられます。
また、ソロ演奏では、CAGEDシステムを基準にポジション移動を組み込んだフレーズを作ることができます。これにより、滑らかなポジションチェンジや音の表現力アップが期待できます。日々の練習では、同じフレーズを5つのフォームで弾き比べるとアイデアが広がります。
セッションや曲作りに役立つ実践的な使い方
CAGEDシステムはセッションや作曲の場面でも大いに役立ちます。たとえば、即興でキーを指定された場合でも、CAGEDの考え方を使えばすぐに対応でき、初めての曲でも安心してコードを探すことができます。
曲作りでは、違うポジションでコード進行を試すことで新たなアイデアを生みやすくなります。また、同じコードでも場所によって響き方が微妙に異なるため、曲の表情を豊かにしたい時にも有効です。グループでの演奏や自分だけの弾き語りなど、さまざまな場面で実践できるのがCAGEDの魅力です。
CAGEDシステムを学ぶ際の注意点とよくある疑問

CAGEDシステムは便利な反面、つまずきやすいポイントや誤解も多いです。この章では、よくある疑問や注意点についてまとめています。
初心者がつまずきやすいポイントと解決策
CAGEDシステムを学び始めると、「フォームが押さえにくい」「位置が分からなくなる」といった悩みがよく聞かれます。特にバレーコードに苦手意識を持つ方は多いです。
こうした場合は、まず無理をせず一つのフォームだけ集中して練習し、慣れてきたら徐々に他のフォームへ広げていくと負担が少なくなります。また、指板上のルート音(コードの一番低い音)に注目して場所を探すと、迷いが減ります。焦らず段階的に取り組むことが、つまずきを乗り越えるコツです。
一般的な誤解や疑問への具体的なアドバイス
CAGEDシステムについては、「すべてのコードがこの5つの形だけで弾ける」と誤解されることがあります。しかし、実際には他にも押さえ方や形が存在しますし、CAGEDはあくまで基礎的なガイドラインです。
また、「CAGEDを覚えればすぐに演奏が上達する」と期待しすぎるのも禁物です。CAGEDは便利な道具ですが、日々の練習や他の理論と組み合わせて使うことで力を発揮します。自分なりのペースで、無理なく取り入れていくことが大切です。
CAGED以外の覚え方や他システムとの違い
ギターの指板を覚える方法にはCAGED以外にもいくつかあります。たとえば、「3ノート・パー・ストリングス」や「水平型スケール」など、異なる考え方や練習法も存在します。これらはそれぞれに特徴があり、演奏スタイルや好みによって合う合わないがあります。
CAGEDシステムはコードフォームを基準にしているのが特徴で、特に初心者やコード中心の演奏には向いています。一方、スケール中心のフレーズを多く弾きたい場合は別のシステムを併用することで、より効果的に指板を覚えられるでしょう。
まとめ:CAGEDシステムでギターがもっと自由に楽しくなる
CAGEDシステムは、ギターの指板を広く理解し、多彩な演奏を楽しむための強力な手助けとなります。初心者から中級者まで幅広い層におすすめできる学習法なので、ぜひ実践しながら自分の音楽の幅を広げてみてください。コツコツ練習を続けることで、ギターがもっと自由に、そして楽しく感じられるはずです。