耳コピでコードを見抜くための基本ステップ

耳コピでコードを見抜くには、段階を踏んで音を聴き取り整理していくことが大切です。まずは全体像を把握し、少しずつ細かい部分に注意を向けていきましょう。
耳コピの流れと全体像の把握
耳コピを始めるときは、まず曲全体を何度か通して聴き、雰囲気やテンポ、繰り返される部分をつかみます。この段階では細かい音を探すより、曲の構造や大まかな進行を意識することがポイントです。
次に、イントロ、Aメロ、サビなど曲の部分ごとに分けて、どの部分が何回登場するのかを確認します。こうすることで、同じコード進行が繰り返される箇所や、変化するポイントを見つけやすくなります。全体像をつかんでおくことで、後の細かな耳コピ作業がぐっと楽になります。
キー判定とダイアトニックコードの役割
耳コピの中で大切なのが「キー」と呼ばれる曲の中心となる音を見つけることです。キーを判定できれば、使われやすいコード(ダイアトニックコード)が絞り込めるため、効率的に進められます。
ダイアトニックコードとは、あるキーの中で自然に使われる7つの基本的なコードです。たとえばCメジャーキーなら、C、Dm、Em、F、G、Am、Bdimが該当します。まずは、曲の雰囲気から明るいか暗いか(メジャーかマイナーか)を感じ取り、ピアノやギターの音を合わせてみてしっくりくる音を探します。キーを決めたら、そのキー内のダイアトニックコードを中心に聴き取ることで、正しいコードを見つけやすくなります。
ノンダイアトニックコードへの対応ポイント
曲によっては、ダイアトニックコード以外の「ノンダイアトニックコード」が使われることがあります。これらは突然雰囲気が変わったり、予想外の響きを感じる箇所に現れやすいです。
ノンダイアトニックコードが出てきた場合は、一度ダイアトニックコードで合わせてみて違和感があれば、その前後のメロディーやベース音に注目します。ベース音を頼りに、例えば1音ずつ鍵盤や弦を鳴らすことで、該当するコードを探してみるのがコツです。あせらず繰り返し聴き直し、少しずつパズルを解くイメージで進めると良いでしょう。
幅広く使い勝手の良い音、バランスの良い弾き心地を追求した初心者用のエレキギターセット。
色も豊富!まずは音を鳴らしてエレキギターを楽しもう!

耳コピに必要な音感とトレーニング方法

耳コピの精度を高めるには、音を聴いて判別する力、いわゆる“音感”がとても役立ちます。自分に合った方法で少しずつ鍛えていくことが大切です。
相対音感と絶対音感の違い
音感には主に「相対音感」と「絶対音感」の2つがあります。相対音感は、基準となる音(ドなど)から他の音までの距離(音程)を感じ取る能力です。たとえば、あるメロディが基準音に対してどれくらい高いか低いかを判断できます。
一方、絶対音感は基準音がなくても「この音はファだ」と即座に分かる力です。しかし、耳コピでは相対音感の方が実用的なことが多いです。なぜなら、バンドや楽器演奏では、実際の音の高さよりも音同士の関係や流れをつかむことが重要だからです。
音感を鍛えるための具体的な練習法
音感を鍛えるには、日々のちょっとしたトレーニングが効果的です。以下のような方法がおすすめです。
・ピアノやギターでランダムに2つの音を鳴らし、どれくらい離れているか(例えばドとミで「長三度」など)を当てる練習
・好きな曲のメロディーを一部分だけ聴き取り、楽器で再現してみる練習
・スマホアプリや音感トレーニング用のウェブサイトを使って、聴こえた音を当てるクイズに挑戦
最初は難しく感じるかもしれませんが、毎日数分でも続けることで自然と耳が慣れていきます。焦らず、楽しみながら取り組むことが音感向上につながります。
日常生活や楽器を通じた耳コピ力向上のコツ
耳コピ力は、特別な時間を作らなくても日常生活の中で鍛えられます。たとえば、テレビやラジオで流れる曲の一部を口ずさみ、その音程を楽器で探してみると良い練習になります。
また、楽器を弾くときは、コードを押さえたままメロディをなぞってみたり、簡単な曲を耳だけを頼りに演奏してみると効果的です。自分の好きな楽曲で練習すると、モチベーションも続きやすくなります。少しずつ「聴く力」と「再現する力」の両方を伸ばしていきましょう。
効率的な耳コピを実現する準備とツール

耳コピをスムーズに進めるためには、聴きやすい環境を整えたり、便利なツールを活用することがポイントです。準備をしっかりすることで、効率良く取り組むことができます。
音源を聴きやすくする環境整備
耳コピを始めるときは、雑音の少ない静かな場所を選ぶと、細かい音もしっかり聴き取れます。また、ヘッドホンを使用すると、低音や細かなフレーズもクリアに聴こえやすくなります。
スマートフォンやパソコンで再生する場合は、曲の速度を変えられるプレーヤーを使うと便利です。再生スピードを落とすことで、速いパッセージや複雑なコードもゆっくり確認できます。身の回りの環境を工夫することが、耳コピの成功につながります。
コード判別に役立つアプリやソフト
最近では、コード判別を助けてくれるアプリやソフトが多く登場しています。以下のようなツールが特に便利です。
ツール名 | 特徴 | 対応機器 |
---|---|---|
Chordify | 自動でコード解析 | スマホ・パソコン |
Capo | 再生速度調整やループ | スマホ |
YAMAHA Chord Tracker | コード検出と保存 | スマホ |
これらのツールを利用すると、自分で判断が難しい部分のコードを参考にしたり、何度も同じフレーズを繰り返し再生して確認できます。自分のスタイルに合ったものをいくつか試してみましょう。
楽器を使った実践的な耳コピの進め方
楽器を使って耳コピを進める場合は、まずベース音やメロディーの一番目立つ部分を先に探します。ピアノやギターで一音ずつ音を鳴らしてみて、聴こえてくる音と合うものを見つけることが大切です。
曲の進行がつかめてきたら、コードごとに押さえ方を確認し、リズムやニュアンスも練習していきます。慣れてきたら、Aメロやサビごとに譜面にメモをとりつつ、繰り返し確かめるようにすると、正確さが増していきます。楽器を通じて実際に音を出し、体で覚えることも耳コピ力向上の近道です。
よくある耳コピのつまずきと解決法

耳コピを続けていると、どうしても聴き取れない部分や難しい箇所に出会うことがあります。よくある悩みと、その解決方法を知っておくと挫折しにくくなります。
聴き取れないコードへの対処法
どうしても分からないコードが出てきた場合は、無理に先へ進まず、一度立ち止まって他の部分との違いを考えてみます。ベース音が分かれば、その音を基準にコードを推測するのも有効です。
また、該当箇所だけを繰り返し再生し、速度を下げてじっくり聴いてみることも役立ちます。それでも難しい場合は、先ほど紹介したコード判別アプリを参考にしたり、他の人が公開している採譜や動画をヒントにしてみましょう。ひとりで悩まず、手段を広げることが大切です。
複雑な伴奏やベースラインの攻略法
バンドや楽器演奏の曲には、時々複雑な伴奏やベースラインが登場します。こうした場合は、以下の方法を試してみてください。
・全体を聴かずに、特定のパートだけに意識を集中する
・低音域を重視して聴き取り、ベース音からコードを導き出す
・再生スピードを落とし、短いフレーズごとに区切って確認する
一度にすべてを聴き取ろうとせず、少しずつ分けて作業すると、複雑な部分も整理しやすくなります。難しいパートは後回しにして、分かるところから進めていくと気持ちも楽になります。
耳コピを続けるモチベーション維持の秘訣
耳コピは地道な作業が多いため、途中でやる気を失いがちです。そんなときは「できたこと」を積極的にメモしたり、小さな目標を立てて一つ一つクリアしていくことがおすすめです。
また、好きなアーティストの曲や、思い入れのある楽曲を選ぶとモチベーションが上がります。SNSや友人と成果をシェアしたり、発表する機会を作ることで、楽しみながら継続しやすくなります。「少しずつ上達している」と感じられる工夫を取り入れてみましょう。
まとめ:耳コピでコードを確実に身につけるために大切なポイント
耳コピでコードを身につけるには、段階を踏んで聴き取り、音感を磨き、環境やツールを上手に活用することが重要です。
焦らずコツコツと続けることで、聴き取る力と演奏力の両方が伸びていきます。自分に合った方法で楽しみながら取り組むことが、長く続けられる秘訣です。困ったときは一人で悩まず、アプリや他者の知識も取り入れてみましょう。
幅広く使い勝手の良い音、バランスの良い弾き心地を追求した初心者用のエレキギターセット。
色も豊富!まずは音を鳴らしてエレキギターを楽しもう!
