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フェルマータが音楽で果たす役割と記号の意味を徹底解説

目次

フェルマータとは音楽におけるどんな意味を持つ記号か

フェルマータ 音楽 記号

音楽の楽譜で目にする「フェルマータ」は、演奏表現を大きく左右する大切な記号です。その意味や使われ方について、詳しく解説していきます。

フェルマータの起源と語源を知る

フェルマータの語源はイタリア語で「停止」や「とどまる」を意味する「fermare」から来ています。もともとは音楽の流れを止めるというよりも、「一度立ち止まる」ニュアンスを持っていました。15世紀から16世紀ごろのヨーロッパで、記号として登場したとされています。

この記号は、教会音楽や合唱曲の中で、音を引き伸ばして荘厳な雰囲気を出すために用いられるようになりました。その後、時代とともに多くのジャンルで使われるようになり、今ではクラシックだけでなく、吹奏楽やバンド演奏、合唱などさまざまな場面で見かけます。

楽譜でフェルマータ記号が示す役割

楽譜上でフェルマータ記号は、音符や休符の上または下に半円と点を組み合わせた記号で表されます。この記号が付くと、その音や休みを通常よりも長めに伸ばすという意味になります。演奏者や指揮者が楽曲の流れに変化を加え、表情豊かに演奏するために役立ちます。

また、フェルマータは単なる「休む」や「伸ばす」だけでなく、音楽に一度区切りを作り、次の展開への期待感を持たせる効果もあります。重要なフレーズや終止部分で用いられることが多いのは、このためです。

フェルマータが使われる代表的な場面

フェルマータはさまざまな音楽ジャンルで使われますが、特に下記のような場面でよく見られます。

  • 楽曲の終わり
  • フレーズの区切り
  • ソロやカデンツァ(即興風の独奏)が入る直前
  • 合唱や吹奏楽で全体の呼吸を合わせるとき

このように、演奏全体の流れを調整したり、印象的な部分を強調したりするためにフェルマータが活躍します。バンドやオーケストラでも、指揮者の合図で全員が音を揃えて伸ばすことで、音楽に一体感をもたらします。

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フェルマータの使い方と演奏上のポイント

フェルマータ 音楽 記号

フェルマータはただ音を長くするだけでなく、演奏者や指揮者の判断によって表現が大きく変わります。ここでは、具体的な使い方や注意点について見ていきます。

音符や休符へのフェルマータの付け方

フェルマータは、音符や休符の直上または直下に記号として書かれます。長く伸ばしたい音や休みの部分に付けることで、通常の長さよりも演奏を伸ばす指示となります。

たとえば、四分音符にフェルマータが付いた場合、四分音符の長さを基準に、演奏者が「ここは音を引き伸ばす」と判断します。また、休符にも付けられるため、音を出さずに間を持たせる効果も生まれます。楽曲全体の雰囲気や、フレーズの流れを意識して使うことが大切です。

楽器ごとに異なるフェルマータの演奏方法

フェルマータの表現は、楽器によって微妙に異なります。たとえば、弦楽器や管楽器は、音を自然に伸ばすことができます。しかし、ピアノや打楽器は余韻を生かしたり、音を減衰させたりする工夫が必要です。

また、ボーカルや合唱の場合は、息継ぎのタイミングや全員のタイミングを合わせることが重要です。バンドやオーケストラでは、指揮者の合図を見ながら全員で呼吸を揃えて演奏します。楽器ごとの特徴を理解し、状況に応じた表現を心がけることがポイントです。

フェルマータとリタルダンドの違いを理解する

フェルマータとよく似た記号に「リタルダンド(rit.)」がありますが、意味や使い方には明確な違いがあります。

記号意味主な使い方
フェルマータ特定の音や休符を長く伸ばす一部の音や区切りに
リタルダンドだんだんテンポを遅くするフレーズ全体に

つまり、フェルマータは一つの音や休符を伸ばすのに対し、リタルダンドは全体のテンポを徐々に遅くするために使われます。楽譜を読む際は、この違いをしっかり理解しておくことが重要です。

フェルマータにまつわるよくある疑問や誤解

フェルマータ 音楽 記号

フェルマータについては、使い方や意味で迷うことも多いです。ここでは、よくある疑問とその正しい理解について解説します。

フェルマータは音をただ長く伸ばすだけなのか

フェルマータは単に「長くする」だけの記号と思われがちですが、実際はそれ以上の役割も持っています。たとえば、曲の終わりや転換点で空気感を変えるために、演奏者や指揮者が意図して間合いを取ることもあります。

また、音だけでなく休符に付けることで「間」を強調し、聴く人に余韻や静寂を感じさせることができます。このように、フェルマータは音楽の流れや雰囲気を大きくコントロールするためにも活用されています。

フェルマータの長さはどのように決まるのか

フェルマータの長さには明確な決まりはありません。演奏者や指揮者が、その場の雰囲気や楽曲の流れを考えて、最適な長さを判断します。

一般的には、もともとの音符や休符の長さの1.5倍から2倍程度に伸ばすことが多いです。ただし、演奏する曲やジャンル、場面によって大きく異なります。ソロや小編成なら個人の感覚に委ねられることが多く、オーケストラや合唱では指揮者が全体をまとめて決めるケースがほとんどです。

フェルマータが小節線やフレーズに現れる場合

フェルマータは音符や休符だけでなく、小節線やフレーズの区切りにも付けられることがあります。これは、区切りそのものに「間」をもたせたい場合に使われます。

たとえば、合唱や吹奏楽でフレーズごとにブレス(息継ぎ)が必要な時や、曲の展開を大きく切り替える場面などです。この時は、演奏者全員が同じタイミングで止まり、次の展開へ気持ちを切り替える合図にもなります。

フェルマータの種類と記号のバリエーション

フェルマータ 音楽 記号

フェルマータには伝統的な形以外にも、さまざまな記号やバリエーションが存在します。その種類や現代的な使われ方について紹介します。

主要なフェルマータ記号とその違い

フェルマータ記号は、半円の形と点の組み合わせが基本です。ただし、楽譜によって細かな違いがあります。

  • 標準的なフェルマータ:丸みを帯びた半円+中央の点
  • 上向きフェルマータ:半円が下向き(通常)
  • 下向きフェルマータ:半円が上向き(五線の下に付く場合)

このように、記号の向きや位置によって付ける対象(音符か休符か)を区別することもあります。どの形も意味はほぼ同じですが、楽譜上では見やすさや演奏の都合を考慮して使い分けられています。

現代楽譜で見られるフェルマータの新しい表現

近年の楽譜では、フェルマータに変化を付けて指示することも増えてきました。たとえば、フェルマータの半円を大きく描いたり、点ではなく三角形や四角形を使ったりすることもあります。

また、デジタル楽譜や現代音楽では、フェルマータの長さを数字や特殊な記号で具体的に指定することもあります。これにより、演奏者の解釈の幅が広がり、より個性的な音楽表現が可能になっています。

フェルマータに関連する他の音楽記号

フェルマータと似た目的で使われる記号や、併せて覚えておきたい記号もあります。以下の表でまとめます。

記号名主な意味使用例
カデンツァ記号即興やソロ部分独奏・即興演奏
テヌート音を十分に保つ滑らかな旋律
ポーズ記号一時的に止まるフレーズの終わり

これらの記号は、音楽の表情や間合いをコントロールするのに役立ちます。フェルマータと併せて使い分けることで、演奏の幅が広がります。

まとめ:フェルマータの意味と使い方を知って表現力を高めよう

フェルマータは、音楽に「間」や「伸び」を生み出す重要な記号です。正しい意味や使い方を理解することで、楽曲の表現力をさらに豊かにすることができます。

また、フェルマータはジャンルや楽器を問わず幅広く活用されており、演奏者や指揮者の意図や工夫次第で様々なニュアンスを表現できます。これから楽譜を読む方やバンド・合奏に取り組む方は、フェルマータの持つ意味や演奏のポイントを意識して表現力を磨いてみてください。

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この記事を書いた人

4歳でピアノを始め、大学ではキーボード担当としてバンド活動に没頭。社会人バンドも経験し、長年「音を楽しむ」スタンスで音楽と向き合ってきました。これから楽器を始めたい人や、バンドに挑戦してみたい人に向けて、音楽の楽しさを発信しています。

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