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ギターの倍音を味方にする方法|音の厚みと濁りを自分でコントロール

ギターの音が「こもってる」「華やか」などと感じるのは、倍音の出方が大きく影響しています。倍音とは基音の上に重なる成分で、強さや種類によって音の厚みや色合いが変わります。ここでは、ギターの倍音について聴き方や調整法をわかりやすく整理しました。機材や弾き方、ギター本体の特徴に応じて、今日から試せるチェック方法まで順に説明します。

目次

ギターの倍音が音色を左右する5つのポイント

180文字程度の導入文:倍音の存在は音色の印象を大きく左右します。豊かな倍音があれば音に厚みと温かみが出ますが、一部の倍音が強すぎると濁りや金属的な響きになることがあります。どの倍音が強く出るかは弦・ボディ・ピッキング位置・ピックアップ・エフェクトなどで変わるため、これらを知ることで音作りの幅が広がります。次に、主なポイントを分かりやすく紹介します。

豊かな倍音は音の厚みと存在感を生む

豊かな倍音は基音の周りに多くの周波数成分が重なることで、音に奥行きと体感的な大きさを与えます。アコースティックギターではボディの共鳴が多くの低中域倍音を生み、暖かく丸い音になります。エレキギターでもクリーンなアンプやフェンダー系のセットなら、きらびやかな高次倍音が耳に心地よく響きます。

倍音が豊かだと、コードの分離感やソロの存在感も向上します。生音で聴いたときに「空気に溶け込むような」響きになるのは倍音の効果です。一方で、倍音の出方は弾き手のタッチやピッキング位置、弦の種類などで変わりますから、自分の好みに合わせて調整していくと良いでしょう。

一部の倍音が強いと音が濁ることがある

特定の倍音成分が過剰に強くなると、輪郭が曖昧になり音が濁ることがあります。とくに中低域の倍音が過多だと、コードの分離が悪くなりもやっとした印象になります。逆に高次倍音が突出すると、きつい金属音や耳に刺さる質感になることがあります。

こうした問題は耳で判別し、どの帯域に原因があるかを特定することが大切です。イコライザーで該当帯域を軽く削る、ピッキング位置を変える、弦やピックアップを見直すなど比較的簡単な対処で改善できる場合が多いです。また録音環境ではマイクの位置が倍音の強弱に直結するため、録り方の工夫も有効です。

弦とボディの組み合わせで倍音の傾向が変わる

弦の材質やゲージ、ボディ材や構造は倍音のバランスに直接影響します。例えばニッケルワウンド弦は温かみのある倍音を生みやすく、ステンレス弦はシャープで明るい倍音が出やすい傾向があります。ゲージが太い弦ほど低域の倍音が強くなるため、厚みが増しますが反面レスポンスは変わります。

ボディ材でも差が出ます。スプルースやローズウッドは豊かな倍音を生みやすく、マホガニーは中域に重心がある落ち着いた倍音傾向です。ソリッドボディのエレキはボディ共鳴が小さめですが、材質や構造で微妙な倍音傾向が変わります。ギター選びでは弦とボディの組合せを意識すると狙った音色に近づけます。

弾き方やピッキング位置で倍音バランスを調整できる

弾き方は倍音に即効性のある調整手段です。ブリッジ付近で弾くと高次倍音が強くなり、明るくアタックのある音になります。ネック寄りで弾くと基音寄りで柔らかく丸い音になります。ピッキングの強さや角度を変えるだけでも倍音の出方が変わるので、場面に応じた弾き分けが可能です。

フィンガーピッキングは指の肉質や爪の有無で倍音が変わりますし、ピックの厚みや素材でも高域の出方が変わります。演奏中に音の輪郭を変えたいときは、位置とタッチを少し変えるだけで雰囲気をコントロールできます。

機材とEQで不要な倍音を抑えることができる

アンプやエフェクト、イコライザーは特定の倍音を強めたり抑えたりするための有力な手段です。アンプのトーンやプレゼンスで高域倍音を調整し、歪みペダルでは高調波が増えすぎないようゲインやトーンを抑えることができます。パラメトリックEQがあれば問題のある周波数帯をピンポイントで調整できます。

ノイズや不快な倍音にはハイカットやノッチフィルターが有効です。録音時にはマイク選びと配置で倍音の印象を大きくコントロールできます。まずは軽く帯域を触って耳で確認しながら、必要に応じて機材やセッティングを変えるのが良いでしょう。

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倍音の基礎をかんたんに理解する

180文字程度の導入文:倍音の基礎を知ると、音の聞こえ方がぐっと分かりやすくなります。基音という根本の振動に対して、整数倍や非整数倍の周波数が重なり合うことで音色が決まります。ここでは基音と倍音の関係、整数次と非整数次の違い、倍音の強さの順序、そしてハーモニクスの出し方を順に説明していきます。

基音と上に重なる倍音の関係

基音は弦が振動して生まれる最も低い周波数で、音の高さを決めます。倍音はその基音の上に重なる周波数成分で、音色や響きの性質を決めます。倍音が多いと音に複雑さや個性が生まれ、少ないと素朴で平坦な響きになります。

倍音は基音の整数倍の周波数として現れやすく、各倍音の強さや位相が変わると同じ高さでも印象が変わります。耳は基音で音の高さを認識し、倍音の組み合わせで楽器の違いを識別します。ですから、倍音を意識することは音作りにおいてとても役立ちます。

整数次倍音と非整数次倍音の違い

整数次倍音は基音の正確な整数倍の周波数で、楽器の自然なハーモニーを作ります。これらが整っていると音は安定して聴こえます。一方で非整数次倍音は整数倍からずれた周波数成分で、弦やボディの複雑な共鳴や不完全な振動から生じます。

非整数次倍音が目立つと音が少し不安定に感じたり、濁りの原因になったりします。ギターではフレットの位置や弦の支点、ピックアップ位置などが非整数倍音を生む要因になることがあり、これが楽器ごとの個性にもつながります。

倍音はどの順でどれくらい強く出るか

一般に、低い番号の倍音(2倍、3倍など)は比較的強く、番号が上がるほど強度は落ちる傾向があります。つまり2倍音は基音に次いで聞こえやすく、3倍・4倍と続くごとに目立ちにくくなります。ただし楽器や演奏法、弦の性質によってこの順序は変わります。

また高次倍音が少し出ることで音にきらめきが加わりますが、過剰に出ると耳障りになることがあります。バランスよく出るのが理想で、好みに応じて演奏法や機材で調整するのが効果的です。

自然ハーモニクスと人工ハーモニクスの出し方

自然ハーモニクスは指で弦の特定の節を軽く押さえることで、対応する整数倍の倍音を直接鳴らす方法です。12フレット、7フレット、5フレットなどが代表的な位置で、きれいな倍音が得られます。ポジションによって出る倍音の番号が決まっているため、狙った高調波を得やすいです。

人工ハーモニクスは右手などで弦を触れながら同時に弾く技法で、高い倍音を得るテクニックです。タッピングやサムタッチなどいくつかの方法があり、エレキギターのソロ表現でよく使われます。どちらも倍音の性質を直接コントロールできる手段です。

ギター本体と演奏で生まれる倍音の違い

180文字程度の導入文:ギター本体の構造や素材、そして演奏方法によって生まれる倍音は大きく変わります。木材の共鳴、弦の材質と太さ、ピッキング位置やピックの特性、さらにはエフェクトやピックアップの性質が重なり合って音色が決まります。ここでは各要素ごとにどのような違いが出るか見ていきます。

ボディ材と共鳴が作る倍音の差

ボディ材は共鳴特性に影響して、どの周波数帯の倍音が強く出るかを左右します。スプルーストップは高域から中低域まで広く反応し、きらびやかな倍音が得られやすいです。ローズウッドは高倍音が豊かで複雑な響きになりますが、マホガニーは中域寄りで温かみのある倍音傾向です。

ソリッドボディのエレキは、空洞のない構造上ボディ共鳴の影響はアコースティックほど大きくありませんが、それでも木材の特性やボディ厚で倍音の出方は変わります。さらにボディの加工やブリッジの取り付け、内部の空洞処理など細かな要素も響きに影響します。

弦の素材太さとテンションが与える影響

弦の素材は倍音の色を決めます。ニッケル系は柔らかく丸い倍音、ステンレスは明るくシャープな倍音が出やすいです。ナイロン弦は高次倍音が控えめで柔らかな響きになります。ゲージが太いほど低域倍音が強く出ますが、弾きやすさやテンション感も変わります。

テンションが高いと倍音の立ち上がりが良くなり、輪郭が明瞭になります。逆に緩めのテンションだと倍音は穏やかになります。好みの音色と弾きやすさを見ながら弦の種類とゲージを選ぶことが大切です。

ピッキング位置とピックの種類で変わる倍音

ピッキング位置は倍音バランスを簡単に変える方法です。ブリッジ寄りは高次倍音が増え、ネック寄りは基音寄りで丸い音になります。ソロやアルペジオでは位置を変えてニュアンスを付けると効果的です。

ピックの厚みや材質でも差が出ます。薄いピックは柔らかく高域が控えめ、厚いピックはアタックが強く高域成分がはっきりします。セルロイドやナイロンなど素材の違いも倍音の響きに影響するので、好みに合わせて試してみてください。

歪みやピックアップで増える高調波への対処

歪みは高調波を増やして音を太くしますが、高すぎると耳に刺さる倍音が目立ちます。ゲインを抑えたりトーンを落とす、または歪み前後でEQを挿して高域をコントロールすると聴きやすくなります。オーバードライブ系は倍音を自然に増やし、ハイゲインでは高調波が多くなる特徴があります。

ピックアップの種類も重要です。ハムバッカーは中低域の倍音が豊かで厚みが出やすく、シングルコイルは高域の倍音がきらびやかに出ます。ピックアップの高さや角度を調整することで倍音の出方を微調整できます。

今日から試せる倍音チェックの手順

180文字程度の導入文:倍音の出方を確認するのに特別な機材は必ずしも必要ありません。耳での聴き分けと簡単な操作で、どの倍音が強く出ているか把握できます。ここでは家で短時間でできるチェック手順を順を追って紹介します。録音環境がある場合は録って確認するとより正確です。

(本文:600文字前後)

まず静かな環境を用意して、ギターをチューニングします。録音機器があればスマホや簡易レコーダーで録音しておくと後で確認しやすいです。次に開放弦や同じフレットの単音を弾き、ネック寄り・ミドル・ブリッジ寄りの3か所で比較します。各位置で音の「明るさ」「厚み」「濁り」をメモしておくと変化が分かりやすくなります。

その後、ピックの種類を替えてもう一度同じポジションで弾いてみます。薄いピックと厚いピック、あるいは指弾きでの違いを確認すると、高域の出方やアタック感が把握できます。弦を変えられる環境なら、別ゲージや素材の違う弦でも同様に試してみてください。

歪み系のエフェクトを使う場合は、クリーンと歪みで比較します。歪ませると高調波が増えるため、どの帯域が不快かを見つける目的でトーンやゲインを調整しながら録音して比べます。録音した音はヘッドホンで聴き、気になる周波数帯域を見つけたらEQで軽くカットして再試奏すると効果が分かります。

最後に自然ハーモニクス(12・7・5フレットなど)を鳴らして、倍音の出方をチェックします。ハーモニクスがきれいに鳴るかどうかで弦やフレットの状態、弦高の適正も判断できます。以上を繰り返す中で、どの組合せが自分の好む音に近いか把握していくと良いでしょう。

幅広く使い勝手の良い音、バランスの良い弾き心地を追求した初心者用のエレキギターセット。
色も豊富!まずは音を鳴らしてエレキギターを楽しもう!

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この記事を書いた人

4歳でピアノを始め、大学ではキーボード担当としてバンド活動に没頭。社会人バンドも経験し、長年「音を楽しむ」スタンスで音楽と向き合ってきました。これから楽器を始めたい人や、バンドに挑戦してみたい人に向けて、音楽の楽しさを発信しています。

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