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ギター録音を今すぐ良くするチェックリスト|音作りから編集まで分かる

ギター録音で「今日はいい音が出ない」と感じることはありませんか。ちょっとした準備や機材の扱いで音質は大きく変わります。ここでは録音前のチェックから機材選び、マイクやアンプの扱い、DAWでの進め方まで、実践しやすいポイントを段階ごとにまとめます。手順どおりに試せば、短時間で録音のクオリティが上がります。

目次

ギターでのレコーディングを今すぐ良くするチェックリスト

録音で失敗しないための基本的な点をリスト化しました。準備が整っていれば録音中のストレスが減り、集中して演奏できます。まずはこのチェック項目を順に確認してください。

・チューニングが合っているか

・ケーブルやプラグにガリ音がないか

・インターフェースの入力レベルが適正か

・録音環境のノイズ源(家電、エアコンなど)を把握しているか

・ヘッドフォンのモニター音が割れていないか

・マイクの向きと距離を決めてテスト録音したか

これらは簡単に確認できる項目です。録音前に毎回チェックする習慣をつけるとミスが減り、後処理の手間も少なくなります。

録音前にチューニングを確実にする

録音の基本はチューニングです。チューニングが少しでも狂っていると、ミックスで全体のピッチ感が不自然になります。まずはスタンダードチューニングを合わせ、使用するエフェクトやドロップチューニングがある場合はそちらも確認してください。

電池式のクリップチューナーやスマホアプリを使うと短時間で精度よく合わせられます。曲中でピッチが変わりやすい場合は、録音直前にもう一度チェックしてください。チューニングの差は演奏の印象にも直結するため、慌てず確実に整えてください。

ノイズを減らすために接続を確認する

録音で厄介なのは思わぬノイズです。ケーブルの断線や接点不良、アダプターの接触不良が原因でガリ音やハムノイズが入ることがあります。ケーブルはしっかり差し込み、古いものは交換を検討してください。

電源周りも見直しましょう。パソコンやインターフェース、アンプの電源を同一コンセントから取るとグラウンドループが発生する場合があります。必要なら電源を分けるか、グラウンド分離の機材を使って対処してください。録音前にヘッドフォンでモニターし、無音時のノイズレベルを確認する習慣をつけると安心です。

テスト録音で録り方を素早く決める

本番前に短いテスト録音を行い、録り方を決めましょう。録音時間は30秒~1分ほどで十分です。マイク位置や入力レベル、アンプのゲインなどを変えて録り比べ、モニターで差を確認します。

テストで複数パターンを残しておくと、本番でどの設定が合うか判断しやすくなります。テイク間での比較は冷静に行い、感覚だけで決めずヘッドフォンやスピーカーで実際に聞いて違いを確認してください。

マイクの位置は少しずつ動かして比較する

マイクの位置は音色を大きく左右します。まずはスピーカー中心から50cm程度離した位置で始め、少しずつ近づけたり遠ざけたりして変化を確かめてください。中心に近いほど明瞭で高域が出やすく、端に寄せると低域やスピーカーの個性が出ます。

上下や角度も重要です。ツイーター方向に向けると高域が強調され、コーンの中心から外すと柔らかい音になります。少しずつ動かし、その都度テスト録音して比較するのが確実です。

DAWの入力レベルを適正にする

録音時の入力レベルはクリップする直前まで上げ過ぎないことが大切です。DAWでの理想的なピークは赤を避け、-6dB前後を目安にしておくと後処理の余裕が生まれます。ノイズが気になる場合はゲインを下げ、必要ならプリアンプやインターフェースのヘッドルームを確認してください。

録音中にレベルが大きく変動する場合は、演奏のダイナミクスを把握してゲインを調整するか、コンプレッサーを軽くかけることも検討しましょう。録音前にメーターで確認する習慣をつけると、やり直しが減ります。

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自宅でそろえるギター録音の基本機材

自宅録音で必要になる基本機材を分かりやすく紹介します。初めて揃える場合でも、用途に合わせて選べば無駄が減ります。小型でも品質の良いものが増えているので、予算に合わせて検討してください。

オーディオインターフェースの選び方

オーディオインターフェースは録音環境の心臓部です。まずは入力数と外部機器との接続端子を確認しましょう。ギター単体での録音が中心なら、ギター入力(Hi-Z)を備えた2in/2outのモデルで十分です。

音質やレイテンシーも重要です。USB接続のインターフェースであれば比較的低遅延のものが多く、ドライバの安定性もチェックしてください。録音時のプリアンプのクオリティや付属ソフトの有無も選ぶ際のポイントです。

用途別に見るおすすめのマイク

マイクは用途によって選び分けます。アンプ録りにはダイナミックマイクが耐音圧に強く扱いやすいです。リボンマイクは温かみのある音を拾いやすいですが扱いに注意が必要です。

アコースティックギターやルーム録音にはコンデンサーマイクが繊細に反応します。ボーカルと同時録音する場合は指向性を考えて選ぶと良いです。予算と録音スタイルに合わせて1~2本を揃えると幅が広がります。

DIとプリアンプの役割と使いどころ

DIはギターのライン信号をバランス化して入力するための装置で、ノイズ対策やアンプシミュレータ使用時に便利です。プリアンプは信号を増幅し音色に影響を与えるため、色付けを求めるときに使います。

クリーンな録音をしたい場合はDIから録るのが合理的です。一方でアンプのキャラクターを重視したい場合はマイク録りと併用すると良い結果になります。

ヘッドフォンとモニターの選び方

ヘッドフォンは遮音性と周波数特性が録音時の判断に直結します。密閉型はモニター漏れが少なく録音中のモニタリングに適しています。モニタースピーカーはフラットな特性のものを選び、リスニング位置での音のバランスを確認してください。

小さな部屋では低域が強調されやすいので、スピーカー位置や吸音を工夫してチェックすることが大切です。

ケーブル選びと接続の注意点

ケーブルは太さやシールドの品質でノイズ耐性が変わります。定期的に抜き差しして接点を確認し、断線や接触不良がないかチェックしてください。長いケーブルはインピーダンスの影響やノイズを招くため、必要以上に長くしないのが基本です。

機器同士の接続順も意識しましょう。電源は最後に入れる、電源の取り方を分けるといった簡単な工夫がノイズ対策になります。

アンプとマイクで作るギターの音

アンプとマイクの組み合わせは音作りの要です。位置や角度、距離を変えるだけで音の印象が大きく変わります。いくつかの基本パターンを試して理想の音を見つけてください。

マイクの距離で変わる音の特徴

マイクがスピーカーに近いほど直接音が強く、高域やアタックがはっきり出ます。逆に距離を取るとスピーカーからの空気感やルームトーンが入って柔らかくなります。慣性的には5〜30cmの範囲で微調整すると扱いやすいです。

距離によっては位相の問題が出ることもあるため、複数マイクを使う場合は位相のチェックを忘れないでください。

スピーカー中心と端での音の差

スピーカーの中心(コーン)に近い位置は明瞭で輪郭がはっきりします。端(エッジ)に寄せると低域が強まり丸みのある音になります。曲のジャンルや担当パートによって使い分けると良い結果が出ます。

ボーカルやリードギターは中心寄り、リズムギターや厚みを出したい場合はやや端寄りといった具合に調整してください。

マイクの角度を変えて音を整える

マイクを斜めに向けると高域の強さやアタック感を調整できます。ツイーターに直角に向けると明るく、角度をずらすと丸みが増します。少しずつ角度を変えながら録音して、全体のバランスを確認しましょう。

角度調整は微妙な効果が出るので根気よく試すことをおすすめします。

複数マイクを使うときの配置例

複数マイクを使うと音に奥行きや厚みを加えられます。よくある組み合わせはダイナミックマイクを近接、コンデンサを少し離してルームを拾う方法です。位相差によるキャンセルを避けるために、いずれかを少しずらして配置するのが基本です。

ステレオ収録ではX/YやORTF配置を使うと自然な広がりが得られます。録音後に位相をチェックして逆相がないか確認してください。

アンプ側のEQとゲインの基本操作

アンプのEQは出音の基礎を作る重要な要素です。まずはゲインを適正に設定して歪みの質をチェックし、ベースやミドル、トレブルで大まかなバランスを整えます。過度にEQを触ると後処理での調整が難しくなるため、必要最低限でメリハリを作るのがコツです。

録音時に少し余裕を残した設定にしておくと、ミックス段階で幅広く調整できます。

ライン録りとアンプ録りの使い分け方

ライン録りとアンプ録りはそれぞれ利点があります。楽曲や目的に応じて使い分けることで、仕上がりの幅が広がります。両方を併用する選択肢もよく使われます。

ライン録りが向いている場面

ライン録りはクリーンな信号をそのまま取り込みたいときに向いています。エフェクトやアンプシミュレータで後から自由に音作りしたい場合や、ノイズの少ない録音を優先したい場面で有効です。

宅録でアンプの使用が難しいときや、複数のバリエーションを作るときにも便利です。

アンプ録りが向いている場面

アンプ録りはアンプやスピーカーのキャラクターをそのまま取り込みたいときに選びます。リアルな空気感やスピーカー特有の反応はシミュレータでは得にくい部分があります。

ロックやブルースなどアンプの色が重要なジャンルでは、マイクを立てて録ることで自然なアタックと温かみを得られます。

どちらも録るときの接続手順

両方録る場合は、ギターから分岐してDIへラインを取りつつ、アンプへ接続してマイク録りを行います。インターフェースにDI入力とマイク入力を用意し、同時に録れる設定にしておくと便利です。

同期や位相の管理に注意しながら両方の素材を残すと、後からミックスで最適なバランスを作れます。

アンプシミュレータを使うときの注意点

アンプシミュレータは手軽に音色を作れる一方で、IRやプリセットの選び方で音像が大きく変わります。ライン録りの信号が適切でないと良い反応が得られないので、最初の録音段階で音量やピッキングの強さを安定させておくことが重要です。

また、過度なエフェクトは音を不自然にするため、微調整で落ち着いた音作りを心がけてください。

ノイズ対策とグラウンドループの防止

グラウンドループは複数の電源機器が接続されたときに発生しやすく、ハムノイズの原因になります。電源を分ける、同一コンセントを使う、グラウンドループアイソレーターを使うなどの対策があります。

録音前に機器を一つずつ電源オンしてノイズ源を特定すると原因が見つかりやすくなります。

レイテンシーを抑える設定のヒント

レイテンシーは演奏感に影響します。インターフェースのドライバ(ASIOなど)を使用し、バッファサイズを小さくすることでモニター遅延を抑えられます。あまり小さくしすぎるとCPU負荷が上がるため、安定する最小値を見つけてください。

モニタリングは直接モニター機能がある場合はそちらを優先して遅延を回避しましょう。

DAWで進める録音から編集までの流れ

DAW内での作業は段取りが重要です。適切な設定とファイル管理、テイクの扱いを決めておくと後の編集がスムーズになります。ここでは基本的な手順をまとめます。

プロジェクトのサンプリングレート設定

サンプリングレートは一般的に44.1kHzか48kHzが標準です。高いサンプリングレートは音質の余地を広げますが、ファイルサイズとCPU負荷が増えます。録音前に使用する機材や配信先を考慮して設定してください。

固定で運用することで管理が楽になります。

トラック分けとファイル管理の方法

トラックは録音する楽器やパートごとに分け、適切な命名を行っておきましょう。テイクごとはバージョン管理できるようにフォルダにまとめ、日付や内容をファイル名に入れると後から探しやすくなります。

バックアップも忘れずにとっておくと安心です。

テイクの比較と良いテイクの選び方

複数のテイクを録ったら、短時間で比較して使える部分を選びます。各テイクの良い点をメモしておくと、後で編集するときに判断が速くなります。感覚的な好みも大切ですが、ミックスでの馴染みやすさも考えて選んでください。

波形編集でタイミングを整える基本

波形編集では不要な前後の余分な部分をカットし、必要ならクロスフェードで自然につなぎます。タイミングのズレは軽めのチューニングやスナップに注意しつつ補正していきます。編集は少しずつ行って自然さを保つことが大切です。

EQとコンプで素早く音をまとめる手順

まずは不要な低域をハイパスでカットし、楽器の帯域がぶつからないように軽く調整します。コンプレッサーはアタックとリリースを基本に調整し、ダイナミクスを整えます。過度な処理を避け、バランス重視で少しずつ加えていってください。

書き出しの形式と配信準備のポイント

書き出しは目的に合わせてフォーマットを選びます。配信やストリーミング向けは通常44.1kHz、16bitのWAVや高品質なMP3に変換します。メタデータやラウドネス規格(LUFS)にも注意して、配信先の基準に合わせて調整してください。

以上を踏まえたギター録音の短い振り返り

録音は準備と習慣が結果を左右します。まずはチューニングやケーブル、入力レベルなど基本を整え、マイク位置やアンプ設定をテストで確認してください。ライン録りとアンプ録りを使い分けることで表現の幅が広がります。

DAWでは整理されたトラック管理と控えめな処理で仕上げると、最終的に自然で聴きやすい音になります。少しずつ試して自分の好みの音を見つけていってください。

幅広く使い勝手の良い音、バランスの良い弾き心地を追求した初心者用のエレキギターセット。
色も豊富!まずは音を鳴らしてエレキギターを楽しもう!

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この記事を書いた人

4歳でピアノを始め、大学ではキーボード担当としてバンド活動に没頭。社会人バンドも経験し、長年「音を楽しむ」スタンスで音楽と向き合ってきました。これから楽器を始めたい人や、バンドに挑戦してみたい人に向けて、音楽の楽しさを発信しています。

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