セブンスコードはポップスやジャズ、ブルースなどでよく耳にする和音です。三和音にもう一つ音を足すだけで、響きが豊かになり曲の流れを引き立てます。ここでは基本の仕組みから実際の弾き方、使われる場面まで、わかりやすく順を追って説明します。初めて学ぶ方も既に扱っている方も、実際の演奏で使える知識が身につくようにまとめました。
セブンスのコードとはどんな和音かがすぐにわかる
セブンスコードとは短く言うとどんなものか
セブンスコードは、三和音(ルート、3度、5度)にもう一つ「7度」の音を加えた和音です。これにより単純な三和音よりも色彩豊かな響きになります。音楽のジャンルを問わず使われ、和音の動きを清らかにしたり、次の和音へ自然につなげたりする役割があります。
和音に入る7度の種類で性格が変わり、落ち着いた響きから緊張感のある響きまで幅が広がります。覚えやすいのは「ドミソにシ(長7度)」や「ドミソにシb(短7度)」の違いです。指板や鍵盤で押さえる位置さえ分かれば、すぐに曲に取り入れられます。
音楽的な目印としては「次の和音への引力」を生む点が挙げられます。導音的に働いて解決を促す場合や、あえて解決を遅らせることで独特のムードを作る場合など、使い方次第で印象が大きく変わります。
セブンスコードに加わる音を確認
セブンスコードに加わる「7度」の音には主に2種類あります。ひとつは長7度(major seventh)、もうひとつは短7度(minor seventh)です。長7度はルートから7半音上、短7度は10半音上に位置します。鍵盤で比較すると、長7度は半音だけ離れたところにあり、短7度はより低く感じます。
長7度が入ると和音は比較的落ち着いた、やや透明感のある響きになります。一方、短7度はジャズやブルースで多く使われ、次の和音へ解決しやすい緊張感を作ります。コードネームでは「M7」「maj7」や「7」「m7」と表記されることがあります。
実際に聞き分けるには、同じルートで長7度と短7度を順に弾いて比べるとわかりやすいです。また、ベースやメロディがどう動くかで7度の役割が変わることが多いので、伴奏の中での響き方にも注目してください。
基本の四種類とその響きの違い
セブンスコードの基本形は大きく四種類に分かれます。代表的なのはメジャー7(maj7)、ドミナント7(7)、マイナー7(m7)、そしてマイナー・メジャー7(mMaj7)です。それぞれ響きが異なり、使う場面も変わります。
メジャー7は明るく澄んだ響きで、落ち着いたイメージに合います。ドミナント7は緊張を生み出して次の和音へ導く力が強く、解決感を作るために多用されます。マイナー7は穏やかな哀愁を帯びた音で、バラードや穏やかな進行で使いやすいです。マイナー・メジャー7は少し不思議な響きで、モード感や独特のムードを演出します。
聞き分けのポイントは7度の高さと三和音の性格です。コードを弾いて響きを確かめ、どの種類が曲に合うか試して決めると感覚が身につきます。
よく使われる場面と得られる効果
セブンスコードは終止形の直前やコード進行のつなぎ目で多用されます。ドミナント7は特に解決を促すので、主要和音への導入に最適です。ポップスでは曲の雰囲気を少し大人っぽくするため、ジャズでは和声の動きを豊かにするために使われます。
ブルースではドミナント7が和音進行の基本的要素になっており、コード自体が歌心を持ちます。バラードやR&Bではマイナー7が温かみのある伴奏を作ります。効果としては「次へ行きたい感じ」「まろやかな余韻」「浮遊感のある色付け」などが得られ、曲の表情を細かく調整できます。
使う際は楽曲のテンポや楽器編成を考えて、7度の色味が他の楽器とぶつからないか確認すると良いでしょう。
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セブンスコードの作り方と表記ルール
三和音に7度を重ねる仕組み
セブンスコードはまず基本の三和音を作ることから始まります。ルート(1度)、3度、5度を揃え、その上にさらに7度の音を重ねます。音の配置は垂直に重ねた形で考えるとわかりやすく、鍵盤なら指で同時に押す、ギターなら押さえるポジションを決めます。
7度の高さを決める際には、ルートから数えて7番目の音を見つけます。長7度は7番目の半音高く、短7度は長7度より半音低い位置です。楽譜や耳で確認する場合は、ルートからの間隔で判断します。コードを組み立てる際は、各音の役割(ルートの重さ、3度で長短の区別、5度の安定感、7度の色付け)を意識すると理解が進みます。
実際の演奏ではすべての音を鳴らさない省略形も多く使われます。特に低音がある場合はルートを省くこともあり、編成や演奏手法に応じて柔軟に扱います。
長7度と短7度の違いを聞き分ける
長7度と短7度は響きの印象がかなり違います。長7度は滑らかで優雅な感じがあり、短7度は少しざらついた、解決を求める響きになります。耳で聞き分ける練習は、同じルートで長7度と短7度を交互に弾き、違いを意識するのが効果的です。
また、和音の中で7度がどのように機能しているかを見ると理解が深まります。長7度は和音内で安定した色を加えるのに適し、短7度は次の和音への橋渡し役として働くことが多いです。曲の流れの中で7度が解決する先を予想すると、聞き分けが早くなります。
具体的には、メジャー7とドミナント7の響きの違いを繰り返し聴くことで、ジャンルごとの使い分けも覚えやすくなります。
コードネームの読み方 M7 7 m7
コードネームは短く書かれることが多く、理解しておくと譜面が読みやすくなります。一般的な表記は次の通りです。
- maj7 または M7:メジャー7を意味し、明るく澄んだ響きです。
- 7:ドミナント7を意味し、短7度が入るため次へ行きたくなる響きです。
- m7:マイナー7で、マイナー・三和音に短7度が加わった形です。
読み方は「Cmaj7(シーメジャーセブン)」「C7(シーセブンス)」「Cm7(シーマイナーセブン)」などになります。楽譜で出会ったときにすぐ把握できるよう、よく見る表記を覚えておくと便利です。
ディミニッシュ系の表記と扱い方
ディミニッシュ系のセブンスは少し特殊な響きを持ちます。代表的な表記にdim7やø7(ハーフディミニッシュ)があります。dim7は完全に縮小された形で、三全音が連続する不安定な響きになります。ø7はハーフディミニッシュで、m7♭5とも表記され、やや落ち着いた不協和音です。
実際の使い方では、これらは「次のコードへ導く」あるいは「一時的な緊張感」を出すために使われます。転回形で扱うことが多く、ベースの動きによっては非常に滑らかに繋がります。聞いた印象が独特なので、少しずつ曲の中で慣れていくとよいでしょう。
転回形と省略の考え方
セブンスコードはすべての音を同時に鳴らす必要はありません。転回形を使うと和音の音の順序が変わり、低音が異なる印象を与えます。たとえば第三音をベースにすると響きが柔らかくなり、5度を低くすると安定感が増します。
省略は演奏の際に役立ちます。特にギターでは全音を押さえづらいため、5度を省略したりルートをベースに別の楽器に任せたりすることが多いです。どの音を残すかで和音の性格が変わるので、曲の中で目指す雰囲気に応じて選んでください。
演奏での使い方と練習で身につける方法
ピアノでの基本的な押さえ方
ピアノでは右手で三和音と7度をまとめて押さえ、左手はルートやベースラインを担当するとバランスが取りやすいです。最初はルート・3度・7度だけを押さえて、5度を省略する形で音の違いを確かめる練習が効果的です。
転回形を使うと片手で押さえやすくなります。例えば右手で3度・5度・7度を弾き、左手でルートを低く持つと響きが豊かになります。テンポを落として和音の残響を聴き取り、各音の役割を意識しながら繰り返すと手にも耳にも馴染みます。
曲に応じてアルペジオで弾くと、セブンスの色合いがより自然に溶け込みます。リズムパターンを変えながら練習すると応用力がつきます。
ギターでの簡単フォームと省略押さえ
ギターでは押さえやすい簡易フォームがいくつかあります。例えばドミナント7は開放弦を含む形で簡単に作れることが多く、バレーせずに済むフォームもあります。マイナー7はルートと7度だけを押さえ、他は開放弦に任せる方法も有効です。
省略押さえは実用的で、特に高音側で7度と3度を押さえ低音は別楽器に任せるとアンサンブルで馴染みます。コード図を覚える際は、指の形と省略する音の違いをメモしておくと現場で迷いません。リズムの変化に合わせてフォームを切り替える練習を積んでください。
コード進行での代表的なつながり方
セブンスは進行の中で「緊張→解決」を作る中心的な役割を持ちます。代表的な流れはV7→I(ドミナント7からトニック)で、非常に自然な終止感を生みます。その他にもII7→V7→Iのように連なることで和声の動きが滑らかになります。
また、セブンス同士を並べてチェーン状に進めると、コード進行に動きと色彩が出ます。進行を作るときはベースラインの動きも重要で、半音進行や歩行ベースを取り入れるとより流麗な繋がりになります。
実際にいくつかの進行をループさせ、違う7度の種類を入れ替えながら弾くと、曲の表情の変化を体感できます。
ブルースやジャズでの使い分け
ブルースではドミナント7が基盤になり、同じセブンスコードを循環させることで独特のグルーヴと歌心を作ります。テンポやフィーリングに合わせてオープンな響きを活かすと合いやすいです。
ジャズではセブンスが多彩に使われ、テンションや置換が頻出します。ドミナントとしての機能に加え、リハーモナイズで役割を変えることが多く、テンションの追加やサブドミナント的な使い方も見られます。ジャンルごとのニュアンスに耳を馴らし、それぞれのパターンを繰り返して身につけてください。
テンションを足して響きを広げる方法
テンションとは9度・11度・13度などの追加音で、セブンスに加えることで和音の色をさらに広げられます。テンションを乗せると和音はよりモダンで複雑な響きになりますが、使い方によっては混濁することもあるため配慮が必要です。
まずは9度から試すと取り入れやすく、次に11度や13度を加えてみてください。テンションは和音内の音との相性を考え、ぶつからない音を選ぶと良いです。少しずつ足して耳で確認しながら、自分の好みの響きを見つけていきましょう。
セブンスコードを学ぶためのチェックリスト
- 三和音の構造(ルート・3度・5度)を確認済みか
- 長7度と短7度の音程と響きを聞き分けられるか
- 主要なコードネーム(maj7、7、m7)を見て理解できるか
- ピアノとギターで押さえ方の基本フォームを弾けるか
- 転回形や省略の仕方を状況に合わせて使えるか
- 代表的なコード進行(V7→I、II7→V7→Iなど)を演奏できるか
- ブルースとジャズでの使い分けが感覚的に分かるか
- 9度・11度・13度のテンションを適切に追加できるか
上の項目を一つずつ確認し、できない項目があれば練習で補ってください。少しずつ慣れていけば、曲の中で自然にセブンスを使えるようになります。
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